「心に残るロータリアンの言葉」

【第49回】

  48回まで数多くのロータリアンの言葉を拾ってまいりました。あと2回は、ポール・ハリスの晩年の心境をお話しいたします。      

                                  

中井 義尚会員

「帰省と静養」 P.ハリス                  
 病気やノイローゼになって田舎に帰ると、何とも言えない気持になり、デービット・グレイソンの「フレンドリー・ロード」や「アドベンチュアーズ・イン・コンテイントメント」(幸福論)等に書かれていることが、ひどく胸にジーンときます。忘れもしません、急病になった私は、非常に田舎が恋しくなりました。そして大自然の胸に抱かれながら、貞節な家内の看護のお陰で元気になりました。(心臓発作で倒れたそうです。)それから三度も静養に田舎にかえりました。お陰で70歳を越えても元気です。私が元気を回復したのも田舎のお陰です。都会の皆さん、バイオリンの弦は余り張り詰めてはいけません。“ホ調の弦”でも他の弦でも切れたら終わりです。人間にはゆとりが必要です。       
 都市は短時間で人間を消耗し、家族を疲れさせ、人間はすれて弱くなります。そして田舎からは絶えず新鮮な人々が流れ込んできます。疲れた新鮮味を失ったはかない人たちは、大体再び田舎に帰って行きます。都市へ流入するのは動脈流で、田舎に戻るのが静動脈です。        
 シカゴ・プレアリー・クラブ(草原の会でポールも発起人)は若い人たちに素敵な田舎を堪能してもらう為に35年前に設立されたものです。会員は二千人もいますが、大多数は地方からシカゴに憧れて出て来た人たちです。人々が憧れている田舎の良さを再発見するには何といっても、プレアリー・クラブが一番です。    
 幸いなるかな、田園を愛する者よ
 気苦労や争いから解放され、                          
 怒りを避けて、平和を求め、           
 青春に続いて、実年を楽しむ。(ドライトン) 
 立派な友人を持ちたければ、ロータリークラブに入る事が一番です。ロータリークラブの無い所では、キワニス・クラブ、ライオンズ・クラブ等の奉仕クラブに入りなさい。生意気な言い方かも知れませんが、地域社会に溶けこんで行くのに、一番の早道はロータリークラブに入会することだと思います。ロータリーの会員になれば、全世界のクラブのゲストになることが出来ます。旅先のロータリー・クラブを訪ねる会員は沢山います。外国旅行の場合には特に便利です。熱心なロータリアンになると、時々付近の町のクラブに行って、その町の人たちと交際を深めます。              

                (ロータリーへの道より)