「心に残るロータリアンの言葉」

【第48回】

       

                                  

中井 義尚会員

「ロータリーの危機」                   
 ロータリーに魅力がない、ロータリーに入っているメリットがないと考える会員が、表向きの経済不況を理由に次々と辞めているという現象が見られるような気がしてなりません。またロータリーの知名度がだんだん低下して、一般社会の人たちもロータリーの存在を知らない。このような状況の中で、ロータリーの方も焦りまして入会の基準を緩めたり、メイキャップの期間を延長したり、またあまり難しいことを言ってせっかく得た会員が出たら困るということで、ロータリー教育をほとんどしないという状況の中で、だんだんロータリーの質が落ちている。そんな状況に嫌気をさして今度は素晴らしいロータリアンがロータリーライフに見切りをつけて辞めて行く。           
 しかしロータリーの歴史をたどってみますと、ロータリーの危機が訪れたのは今回が初めてではないのです。今まで何回も危機が訪れている。その危機をロータリアンの英知によって克服しながら現在まで生き延びてきたという歴史的な事実があるわけです。そして今日の危機を「第4の危機」と私は言っています。今回の傾向は、特に退会者が若い会員、入って年数が浅い会員に多いのが特長ではないかと思います。日本とアメリカの共通する会員減の原因は、ロータリー活動の中からロータリーの哲学であるべき奉仕理念が飛んでしまったということがあるのではないかと思います。二番目に例会の形骸化があろうかと思います。私達のような世代と、それから、団塊の世代とその以下の世代と全然考え方が違うのです。       
 1957年に私どものガバナーの直木太一郎さんが、彼のガバナー年度に「今しばし拡大を留めよ。今こそ原石を磨くときだ」と表現しています。昔もいっしょなのです。             
 しかし真理はあくまで真理です。だから先達の努力、考え方に敬意を示しながらそれに対していっぺんよく聴く耳を持つというのが絶対必要です。そのためにロータリー教育が必要なのです。ですから中途半端なロータリー論を打つのではなしに、とことんまでロータリー論が展開できるまで教育して行くのが大事なことではないかと思います。        

     第2680地区(PDG) 田中毅 (芦屋川R.C.)(2000年R.C.研究会より)