「心に残るロータリアンの言葉」

【第42回】

       

                                  

中井 義尚会員

「R.I.理事として学んだこと」 (中井が附した仮題)            
 R.I.理事の見習い期間として87〜88年度、理事として1988-1990年の2年間は国際ロータリーに対しましても、各地域のロータリーに対しましても非常にいろいろなことを勉強させて頂く機会が回ってくるわけです。私は理事ノミニーになりました時から「目覚めよロータリー」という言葉を思っていましたが、総本山入りをしなければならなくなった時に、初めて私は目覚めよロータリーということを、どのように今後活かしていかなければならないかをはっきり認識出来たわけです。そして、R.I.事務局のシステムを明確にし、沢山ある委員会がどのような内容をもって、どのような活動をしているのか、せめてそれぐらいはガバナーの方々に知らせてあげないと、ガバナーは地区から出ている最高のR.I.役職の方なのですから。ロータリーが非常に巨大な組織になり過ぎたということを理事のデスクに座ってみてしみじみと感じたのです。以下3つの問題について述べてみます。       
 第一は、財政問題です。直前の理事の伊藤義郎氏は「このままで行ったらロータリーはつぶれるのではないか。」というような累積赤字でした。その時98-90年R.I.会長ヒュー・アーチャーの決断によって、事務総長の更迭そして、各事務局長を退職させ、有能な少数陣営主義で財政の立直しをはかり89-90年度にR.I.の財政が大きな転換を得た年度になりました。H・アーチャー会長がビジネス面だけでなく「SERVICE ABOVE SELF」を徹底化されたことに他ならないのです。         
 第二は、組織の問題です。日本やアメリカは問題ないとしましても、中南米や後進国なんかではただ数だけ増やせばよいというようなことで、実態は殆ど活動していないようなクラブを作ったものですから、人頭分担金も非常に滞っているのが事実なのです。本当にロータリーを理解してロータリーのために奉仕活動をしているのは、ロータリアンの1/3ぐらいで、はっきり言って30万人位が本当のロータリアンとして活躍しているのではないでしょうか。拡大、拡大と言う一方で、ひずみというものがあることを皆さん方のディスカッションのテーマにして頂きたいと思います。ロータリーが組織の改革に目ざめないと若い人が入って来なくなり、ロータリーが高齢化社会になっていくのが現状であると思います。 
 第三は、地域の問題です。現在世界のロータリーが20数ゾーンに分かれていますが、韓国など日本のゾーンに入った方がいいのではないかとよく言われますが、韓国が日本のゾーンに入るのは嫌だということです。いろいろな民族間の問題をロータリアンがいつまでも固執してやっていることは、ロータリーの目的に反するというようなこともあるわけです。   
 R.I.理事をさせて頂き本当に勉強出来ましたが、いわゆる自分の行動というもの、そしてまた実践というものから考えてみますと、まだまだロータリーというものは奥行が深い、まだまだ勉強が足らないと思いました。           

                 千宗室(前R.I.理事)京都R.C.(1991年R.C.研究会より)