「心に残るロータリアンの言葉」

【第34回】

       

                                  

中井 義尚会員

「世界平和への取り組み方」                   
 ロータリーは住みよい社会と平和な世界を目指して活動している。その取り組み方は「奉仕」といって人への思いやり、進んで人の役に立つことをモットーにしている。これを「超我の奉仕」「最もよく奉仕するものは最も多く報いられる」と標語にしている。それは、奉仕という方法で人間関係を改善してその目的を達しようとしているのである。よい人間関係が住みよい地域社会を作るだろうことは判るが、それが、果して国際平和の確立に役立つだろうか。          
 世界平和に必要な方法は言う間でもなく外交即ち政治家の活躍である。しかし現在の世界は沢山の国家があり、従って国境があり、別々の政府がある。政治家の努力は結局その国境と政府のイデオロギーの違いで行き詰まってしまう。政治家は国益という点から一歩も前進が出来ないのである。また、経済家の援助も会社をつぶしてまでもは実行は阻まれる。ましてや軍人の軍備競争による抑止力などは一歩誤れば人類滅亡を招く大核戦争を惹起するかも知れない。         
 そのような事情だから残された方法は政府に関係ない国際団体によって、人間同志が理解し手を結び合うより他に世界平和の確立方法はないのである。               
 この非政府的な民際的且つ世界的な団体として最も実力のあるのがロータリーである。ロータリー会員同志なら仮想敵国の人々とでも意思の疎通も出来るし手を結ぶことも出来るのである。ロータリーはその方法として、留学生の交換、青年の実業視察(GSE)、民間同士の相互援助及び激励が盛んに行われている。        

                前原勝樹 桐生R.C.(P.D.G.)「窓を開くロータリー」(1985)より