「心に残るロータリアンの言葉」
【第33回】
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中井 義尚会員 |
「土地に惚れろ」 | |
ロータリーは奉仕奉仕と言いながら「金」の出し振りが悪い、という説がある。確かに類似団体に比してこの点ケチである。それらの団体では「金力奉仕」を明言しているのにロータリーは、財布奉仕や口先奉仕だけでなく、この地球に住む人間同士という人間愛に奉仕基調を置いている。 人間愛とは「相手の身になって考える」ことである。ロータリーの奉仕活動はすべてこれから出発している。アメリカでロータリー発足当時、ほとんどのクラブが「障害児救援」に乗り出したがそれは、人間愛の発露であった。しかしこれが過熱し、役所や福祉機関と競争するまでになり、大いなる反省期に入った。そこで決議23-34(手続要覧2001年77頁)というものでそれが規制され、役所の及ばぬ点、即ち行政の落ち穂拾いの位置に立つことになった。これがロータリーの社会奉仕である。 社会奉仕と言っても広く社会全般の意味でなく「地域社会の奉仕」に限定されている。もちろん世界的な救援活動もやっているが、それは別枠になっている。地域社会の奉仕は、自分が住み、生活の根拠として職業をさせてもらっている、その町、その村への報恩であり、一緒に住む人間への思いやりである。 商売繁盛に三惚れということがある。土地に惚れろ、商売に惚れろ、それから女房に惚れろ、の三者である。その第一項の「土地に惚れろ」がロータリー社会奉仕の基点である。惚れた相手には誠意をつくし、自らも高めて、それに相応しくなる。この恋愛の掟こそ、またロータリー社会奉仕の掟である。 前原勝樹(かつたか) 桐生R.C.(P.D.G.)「窓を開くロータリー」(1985)より |