職業に携わる者は何故か一つの法則によって引きつけられている。(A.F.シエルドンの発言より)
(1) |
物は絶えず静止しようとしている。重力から脱して移動させても、その力が弱くなれば再び静止してしまう。 |
(2) |
取引の上手な企業よりも、生産をもって社会に寄与している所に人は集まろうとする。 |
(3) |
働く人を大切にする企業には人は落ち着こうとする。 |
(4) |
昇級とか適正な職場配置、更に昇進のある所に人は必ず定着する。 |
働く人を引きつける力を引力に例えて、引力こそ職業の価値観に。この価値観を安定した金銭収入に求め、働く人の意欲をこの金銭を得る場所での奉仕の心に求めている。
更に奉仕を「自然の摂理」“PROVIDENCE”に捧げる心と結びつけている。
以上はA.F.シエルドンの意見であるが、シエルドンは結局は金銭であるが、その結果を生む過程において「自然の摂理」に従って“SELF”を捨てて奉仕すべきであると説明している。
この考えに対してポール・ハリスはシエルドンが合理的に考え過ぎていると批判しながらも、反対も賛成もしていない。
私は古い医学を学んだ人間の一人だが、医師の仕事はBeruf(天職)と教え込まれて育った。現在もその気持は余り変っていないが、ドイツ医学を教えられた者は総て同じであると思う。然し医学の本流がアメリカに移ってから、この考えは完全に消滅した。
私は、医の専門職から天職観を除外する事は、医師の自滅につながると考える人間であるが、現在の医学者の歩みに、口惜しさを覚えている。
姫路R.C.西村祥三氏(関西R.C.研究会より(1983年)
|