「心に残るロータリアンの言葉」

【第26回】

       

                                  

中井 義尚会員

「ロータリーの国際奉仕」                   
 世界で最も大きな組織をもっているロータリーが互いの友情と親睦を謳いながら、世界の平和の掟を壊すような戦争を止めることができなかった。では、世界のロータリアンは友情と平和のために何か具体的な道を開かねばならない。ロータリー第4の奉仕の国際奉仕はこのようにして開かれました。
 国際奉仕の有力な奉仕の方法として、WORLD COMMUNITY SERVICE (WCS)があります。これは1966年に出来た考えで、当時のエバンス会長によって具体的に発足しました。エバンスR.I.会長はA BETTER WORLD THROUGH ROTARYというテーマを掲げています。           
 世界社会奉仕が生まれた過程を考えますと、国際奉仕の概念が充分熟していなかったにもかかわらず、たいへん先駆的な役割を果たしたと思い、世界社会奉仕の意味を高く評価するものであります。なぜならW.C.S.のアイデアが生まれたのは1966年(昭和41年)ですが、このアイデアの中にはすでに「世界は国境を越えたひとつの存在である」という考えが基底にあるように感じられるからです。その一番初めの大きな会合は、1972年ストックホルムで開催された国連の世界環境会議でした。たとえば、公害汚染をとりあげても、私達は環境の問題を自分の国だけで処理することは出来ない。国境を越えて世界が一緒になってこれにあたらなければならないという考え方から新しい概念が出来たわけです。その後、世界食糧会議、世界人口問題会議、世界海洋会議などが続々と開かれ、国の問題を越えた世界的な見地にたって問題が提起され、解決が迫られています。ですから1966年にW.C.S.という概念をスタートさせているロータリーの先見性は高く買われてよいと思います。        

            (1982年(昭和57年)関西ロータリー研究会での今井鎮雄氏の講演
「ロータリーの原点と現状の諸問題」から。)(その2)