「心に残るロータリアンの言葉」

【第25回】

 関西ロータリー研究会での発言から何編かを披露いたします。    

                                  

中井 義尚会員

「調査と職業分類」                   
 まず我々が手がけるサービスで一番大事なことは、コミュニティを調査することです。ロータリーで言う調査とは、「あなたの住んでいるコミュニティにサービスするための一番大事なことは、コミュニティのニーズは何かをリサーチして欲しい」ということです。その調査が充分できれば、自らのロータリーのコミュニティ・サービスの具体的なプログラムができるのではないでしょうか。ポール・ハリスが職業奉仕という概念を出した時、最初は各自の職業を通して、互いにそれぞれ便宜を図ってもらうということを申しましたが、実はそれだけではなかったのではないでしょうか。コミュニティとはそこに住む人達が自己の職業という役割を果しあい、その総和によって形成されるとすれば、その職業を通して役割奉仕をすることが、コミュニティ・サービスと考えられるのです。そこで「職業分類」がコミュニティの中で見い出さなければならない問題となります。自分の住むコミュニティにどんな役割すなわち職業の方がいらしゃるかというのが、職業分類の意味であるからです。ロータリークラブが違った職業分類の方々によって成り立っているということは、ロータリークラブはそのコミュニティのすべての役割の責任者の集合体と考えることが出来るわけです。こう考えれば、コミュニティが形成されてくるということと、ロータリーのいう職業奉仕とは密接にかかわり、ロータリーのひとつの大きな特徴となっているのではないかと存じます。        

   (1982年(昭和57年)関西ロータリー研究会での今井鎮雄氏の講演
「ロータリーの原点と現状の諸問題」から。)