「心に残るロータリアンの言葉」

【第16回】

ロータリー創始時の基礎を築いた3人について。      

                                  

中井 義尚会員

「(3)チェスリィ・R・ペリーについて」                   
 チェス・ペリー(CHESLEY R. PERRY)がロータリーに入会したのは1908年です。入会時彼が期待したのは「友情」だったので、その点では期待はずれになりませんでした。しかし、チェスはその他に何かはるかに印象づけられるものを発見しました。当時の喰うか喰われるかの激しい社会の中で、ロータリアンの実業家たちはお互いに助け合い、さらには競争相手とさえも仲良くしていることです。同僚の会員A.シエルドンの唱える哲学が将来のロータリー運動の礎石になると思うようになりました。  
 チェスは52年間ロータリーアンでした。1910年から国際ロータリーの事務総長をつとめ、1942年に至って引退していますが、その間に彼はロータリーの諸規則や諸手続を整備しかつR.I.中央事務局の行うべき諸活動と範囲を組織化しました。事務局はロータリー組織の中軸であり、会員に対するサービス・センターであり、情報の交換所であると彼は考えていました。彼はまたロータリーの国際的機関雑誌の初代編集長となり、1911年から1929年までその任務をつとめました。彼はこの公式刊行物をロータリー活動の反射鏡としてとらえ、またロータリーの原則を伝達する媒体としました。さらにこれを通じて信望のある非ロータリアンの家庭にロータリーを紹介し、学校に、図書館に、その他多くの所に送りました。至るところのロータリアンの家族を結び合わせる力にもなると考えました。 
 チェスはロータリーの理想についてTHOUGHTFULNESS OF AND HELPFULNESS TO OTHERS---他人を思い助ける---であると述べています。また同時にロータリーは非独裁的な構造であるべきだと堅い信念を抱いていました。R.I.は、各加盟クラブの自主性を尊重しなければならない。各クラブはロータリーという偉大な輪の一環である。そして、クラブよりもロータリアン個人の方が更にはるかに重要であると述べています。世界を改造する最良の道は、人間自らを改造すること、人間個人の発展こそ最大の重要事である。個人の能力を増大し、才能を向上させ、サービスへの懇求を高めることであると、結んでいます。