「心に残るロータリアンの言葉」

【第14回】

ロータリー創始時の基礎を築いた3人について。       

                                  

中井 義尚会員

「(1)アーサー・フレデリック・シエルドンについて」              
 A・SHELDON がシカゴR.C.に入会した1908年、入会の挨拶はシカゴ・クラブの会員達に大きな影響を与えました。1910年シカゴにおいてロータリークラブ全米連合会が開催された時、彼は講演会で次のようにのべています。「19世紀の特徴は競争であった。それは同族相食むような競争であった。取引の教義は「買手は自身で気をつけよ」ということだった。ところが20世紀に入ってからは、総じて人間の知識が発達して知恵の光がかがやき始めたのに連れて、20世紀の商売の姿の特徴となるべきは、協調であるべきだ。なぜならば他人への正しき行為という科学だけが引き合うことになるからである。商売は人道的サービスの科学である。すなわち「人に対して最もよくサービスする者こそ最大の利得をする」のである。              
 また第2回の全米大会(1911)で、A・シエルドンは再び次のように講演しました。「商売の科学はサービスの科学である。その科学とは、すなわちHE PROFITS MOST WHO SERVICES BEST である。いかなる社会、団体の成功もそのサービスに従事する人々の成功の積み重ねである。広い意味においては、各自はセールスマンである。各自は売るべきなにものかをもっている。それがサービスであろうが品物であろうが。人生における成功は広い意味では、幸運とか、チャンスとかによるものではなく自然の法則に支配されるものだ。精神的、道徳的、物質的および霊的な法則に左右されるものである。すべてこれらの自然法則と調和して働けば、最高の成功をかち得られるはずである。人もし宇宙の大法則を知ればおのずから万物存在の意味が解けてくる。それは、人類連帯性の自覚であり、万物一如の認識であり人間皆同胞の理解である。この高い水準に立って眺めるとき、人々は次の事実があやまりなき現実であることを了解するに至るであろう。すなわち、商売の上であろうと、あるいはまた一般処世の上であろうと「最善のサービスをなすものに、最大の利得があるのである。」