「心に残るロータリアンの言葉」
【第10回】
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中井 義尚会員 |
「米山梅吉氏のP.ハリス敬愛の言葉」 | |
米山氏がP.ハリスの著書「ロータリーの理想と友愛(THIS ROTARIAN AGE)」を訳して出版しているがその訳書の中に次の一首がある。 「過ぐる年、亜米利加に開かれし、国際ロータリー大会にて読める」「奉仕てふ心めでたき純絹(ひたぎぬ)にそめたる国の四十あまりの旗」更にまた次の一節がある。 読む人は直ちに気が附くであらふ如く、此の書中に最も感を深くする点が三つあると思ふ。第一は、ポールの態度が如何にも敬虔でロータリーのような大運動を起こした人の其れに似合はぬ程、遠慮勝ちであること、第二は、彼は頗る文学的天分に富んでいることが記述の間に現はれ、美事に全篇の文を進めていること、第三は、彼は真に躬行実践の人で、艱難辛苦を嘗めて来た其生涯から得た温かい人情味が一貫して友交の重きを知らしめ、ロータリーの精神が其処から出発して「己が他より施されんと希ふが如く他に施せ」といふ古き真理が新しき輝きを以て此人生を有意義のものとするに与って力があると云ふことである。 米山氏がロータリー精神に共鳴する根底には、ポール・ハリスに対する深い敬愛の念があったであろうと思われる。 (佐々木邦氏の米山梅吉伝より) |