「心に残るロータリアンの言葉」
【第8回】
今回から3回、米山梅吉氏の記録をたどりつつお話し致します。 |
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中井 義尚会員 |
「日本ロータリーの解散に際しての解散の辞」 | |
-解散の辞-(原文のまま) 重い足を引きずって私は今ここに立つ。こんなつらい気持ちで皆様に語らねばならぬのは20年来始めてである。近藤(繁次博士)さんの美しい熱のこもったお言葉に対しては、何とお答えしてよいであろうか、北島さんにお願いしたならば何か最もよい答辞を述べて頂けると思う。私はただかかる始末になったことをお詫びしたい。然し、我々とても時の流れに対して徒らに手を拱いておったのではない。日満ロータリー建設の如きもその現れである。然し、時代の流れは余りにも急激であった。進路は3つしかない。(1)最後までロータリークラブを守り通すか。(2)潔く全く解体してしまうか。(3)国家単位の新しい会を組織し、ロータリーの精神を継承するか。 インターナショナルの精神は新組織の会に於いても絶対にこれを残すべきであると信ずる。サービスの理想、己の職分を通じての奉仕、世界的和衷友誼、これ等を失うならば新組織の会は存立の意味をなさない。先程、積穂氏より御注意のあった点も考えて見たが、此の際シカゴ本部の指図を受けぬにせよ、本部の一翼として存在すると云うことが困難なのである。また地方のクラブが、バタバタと解散する以前でしたら、施すすべもあったであろうが、東京ロータリークラブのみが孤立してしまった今ではもう遅い。国家単位の会をつくり、将来世界的にこれをリードすると云うことが最も賢明な道と信ずる。創立以来20年を顧みる時、誠に感慨無量である。この間、ロータリークラブが如何に国家に貢献して来たか、その歴史は燦として輝いている。私の眼底には絵巻物の如くそれ等が髣髴としてくる。私はただ、皆様方にお礼を申しあげ、自分の不行届の点をお詫びしたい。水曜クラブというこの会合を続けられることはこの美しい集会の空気を中絶消耗せしめぬため是非必要と思う。過去のロータリークラブもこれらの会も、皆様方の会なのですから皆様方で最もよい道を選ぶべく努力して頂きたい。 (創立者 米山梅吉)
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