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【農業の近代化】
坂 本 光 文 会員
『農業に必要なのは豊かな土と太陽と水』これが長年の常識でした。
しかし、今、全国各地で稼働している植物工場は、水さえあれば土も太陽も必要ありません。植物工場とは、大規模な水耕栽培施設のことをいいます。まるでオフィスビルのような建物の中で、LED照明と専用の溶液によって計画的に野菜を栽培しているのです。その様子がまるで工場のようだということで植物工場、野菜工場とも言われています。
2009年以降、政府も本格的に開発の援助を開始し、現在では被災地での植物工場建設も盛んに行なわれています。また、植物工場での農業に多種多様な企業が参入することで大きく飛躍しつつあります。植物工場では気象や環境に左右されないメリットがあり、1年中安定して農作物を収穫することが可能です。また、栽培期間の短縮、農業向けでない環境下でも農業をすることが可能であり、将来
的には東京や大阪の真ん中で農業をすることも夢ではありません。
一方でデメリットとしては、生産コストが現在よりも3割〜4割高いことと、お米や根菜類の栽培がまだまだ難しい事が挙げられます。米や麦・根菜類などが植物工場で栽培可能になったとき、植物工場は更に大きな飛躍を遂げることでしょう。
『農業は水と土と太陽が必要』という常識が、もしかしたら数十年後には古い考えとなっているかもしれません。
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