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『 卓 話 』 |
「平和と紛争予防/紛争解決月間」
上 林 史 和 会員
・主な紛争
パレスチナ問題、ボコ・ハラム(ナイジェリア)、イエメン内戦・リビア無政府状態・ウクライナ危機・チェチェン紛争・グルジア紛争・南シナ海(フィリピン・ベトナム)
・チベット問題・ウイグル自治区、その他にも・台湾問題・や尖閣諸島の問題、南北スーダン、ソマリア、南北朝鮮、キプロス紛争など、世界は紛争で溢れている。中でもシリア内戦は現在の大きな問題である。
「アラブの春」に端を発する中東各国での民主化の動きを受け、シリアでも2011年3月以降にデモが激化。同年夏ごろには政権軍を離反した兵士らが「自由シリア軍」を結成し、武力弾圧を続けるアサド政権との内戦となった。さらに「イスラム国」が台頭。イスラム国の支配地域はイラクの北西部とシリアの北東部にまたがっており、イラクとシリアの約3分の1ずつにも及ぶ。
・難民問題
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)発表によると、2014年末の時点で、世界中で5,950万人が、内戦や治安悪化などによって難民や国内避難民などとして故郷を追われ、強制的に移動しなければならない状況に置かれている。シリア周辺国へ逃れたシリア難民の数は400万人を超えた。最も多くの難民が逃げている国はトルコで、多くのシリア難民が逃れてきている。以下、パキスタン、イラン、エチオピアと続き、難民が近くの国々に逃げていることがわかる。多くの難民を開発途上国が受け入れているといわれており、経済的・社会的に発展していない国に、「難民の受け入れ」というさらなる負担がかかっているのが現状である。
ドイツではメルケル首相が積極的な受入れを表明。すでに100万人が入国。しかし国民が賛成反対に別れ対立する局面も。ハンガリーなどでは受入を制限。難民問題によって欧州各国のナショナリズムが台頭。EUの理念をもゆるがしている。
シリア難民支援に充てる予算不足は依然深刻な問題である。2015年シリア難民支援には55億米ドルが必要である。この支援計画は主にシリア周辺国の負担を軽減し、地域の不安定化を防ぐことを目的としている。しかし6月末時点で必要額の4分1以下(24%)しか集っていない。これによって配給される食糧の量が更に減らされ、医療サービスや教育支援などが滞る可能性がある。
・ロータリーの難民支援
ロータリー平和フェローシップ
世界各地の大学に設置されたロータリー平和センターで、平和と紛争解決の分野の修士号または専門能力開発修了証を取得するための奨学金を提供している。このフェローシップで留学する人はフェローと呼ばれ、プログラムを卒業した元フェローは900名にのぼる。在学中のフェローを入れると1,150人になる。世界で6ケ所のロータリー平和センターのうちの1カ所が国際基督教大学(ICU)にある。フェローの多くが、各国政府や、国連・世界銀行などの国際機関、国際司法裁判所などに就職し、平和構築の第一線で活躍している。
支援の一つの方法として、ロータリーのパートナーである非営利団体、シェルターボックスによる災害救援活動への寄付も行われている。シェルターボックスはこれまで4年近くにわたり、国連難民高等弁務官事務所と協力してシリア難民に救援物資を提供してきた。また、欧州へと移動する際にギリシャとトルコを通過する難民のために、仮設住居と生活物資の提供も行っている。
・UNHCR
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR: United NationsHigh Commissioner for Refugees)は世界各地にいる難民の保護と支援を行なう国連機関である。UNHCRは国連総会によって創設され、1951年にスイスのジュネーブを拠
点に活動を開始した。
(イ)難民条約の各国による締結・加入を促進し、各国によるその適用を監督する。政府と協定を結び、難民の状態を改善し保護を必要とする人々の人数を減らす為の措置をとる。
(ロ)難民の自発的帰還、または新国家社会内での同化を促進する為の政府または民間団体の活動を援助する。
・緊急時の対応/医療、給水、食料、衛生、環境整備
・自主帰還を促進する環境の整備
UNHCRでは3通りの恒久的解決策を追求している。「自発的帰還」が最も好ましい解決策であるが、それが可能でない場合は、難民が最初に庇護を求めた国での「庇護国での定住」、あるいは「第三国定住」として新たな国にて生活を再スタートする支援を行っている。
※UNHCRでは寄付を受け付けています。
皆様の難民へのご支援をお願いいたします。
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)ホームページ
【国連難民】で検索して下さい。
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