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『 トピック 』 |
ロータリー米山記念奨学会より、米山功労者感謝状
第13回メジャードナー/〆野 淳一会員
第6回マルチプル/山口 英之会員 ・ 平瀬 有里会員
第5回マルチプル/杢保 正夫会員 ・ 米本 直樹会員
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『 卓 話 』 |
「ちぬの海」
大阪府議会議員 永 野 耕 平 様 (担当:坂本道子会員)
大阪湾を「ちぬの海」と呼ぶことについては、古くは「古事記」にも記載されていますが、江戸時代の国学者本居宣長の「古事記伝」には「黒鯛の一種であるチヌが、『ちぬの海』の名産であったところから、地名が魚の名称になった」とも記されています。また、江戸時代の百科事典『和漢三才図会』には、「泉州より多く産す、古くは泉州を茅渟の縣と称えたり、故にこれを名とす」とあるように、昔は、大阪湾にチヌ(黒鯛)が沢山いて、「茅渟(ちぬ)の海」と呼ばれ、豊かな海であったことが偲ばれます。」
※大阪府のホームページより
今開催中の大阪府議会における一般質問において、永野は三つの項目について質問しました。ひとつは泉州山手線、もうひとつは「豊かな大阪湾」、そして「児童虐待問題」です。ここでは、一般的に最も関係のあるテーマとして「豊かな大阪湾」について申し上げます。
岸和田では漁業が盛んであり、港の近くに漁業関係者が経営する食堂があり、地元で水揚げされたアナゴのてんぷらや生シラス丼など大阪市内ではなかなか食べられないものを食べることができるため好評を得ております。近年、関空を利用して国内外から多くの観光客が大阪を訪れていますが、地元の活性化にとって美味しい大阪湾の魚介類は観光客を呼び込むための重要なコンテンツになりうると考えています。
しかし、地元漁業者に伺うと、魚は昔のように獲れなくなり、特にマコガレイ等の大阪を代表する魚介類の減少が著しく、全体の漁獲量が低迷しているとのことであります。大阪湾は、かつては、生物の生息の場となる砂浜や藻場、干潟が広がり、「ちぬの海」とも呼ばれるほど豊かな海でございました。しかしながら、これらの藻場・干潟の多くが失われ、夏にしばしば、生物が生息できないほどに水中の酸素が不足した状態となる、いわゆる貧酸素水塊が発生するなど、大阪湾が本来持っていた豊かさが失われており、私は、かつてのような生物多様性や生物生産性を取り戻し、「豊かな大阪湾」にしていく必要があると考えます。
海の環境を豊かにするためには、貧酸素水塊の軽減や栄養塩の偏在化の解消、魚介類の産卵育成の場となる藻場などの造成をはじめとした漁場環境の改善が有効です。このため、大阪府は泉州地域で藻場造成事業などに取り組むとともに、岸和田市沖において、海水をかき混ぜ、海中の酸素供給や栄養分の拡散を促す攪拌ブロック礁の設置を行っているところです。また、水産資源を豊かにするためには、稚魚を放流する栽培漁業や資源管理が重要であり、キジハタなど魚価が高く人気のある魚種の放流を行うとともにサワラやマコガレイなどの漁獲量の低迷している魚種の資源回復のための取り組みを実施し、徐々に成果が現
れてきています。
実は、環境保全の観点から考える「理想の大阪湾」と水産資源の観点から考える「理想の大阪湾」は必ずしも同じものとは言えません。環境的にきれいな海は魚にとっても、「よい海」だとは限らないのです。国の瀬戸内海環境保全基本計画ではこの両方の観点を融合させ「豊かな瀬戸内海」と呼んでいます。
府が目指すべき「豊かな大阪湾」実現のためには、5府県とその他の主体がひとつの目的を持って協働するための「場」、多角的な視点で「大阪湾」を見ることできる「場」が重要であると考えます。
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