岸和田東ロータリークラブ 国際ロータリークラブ第2640地区
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第1803回例会 10月18日(金)

卓 話

「 出雲大社と伊勢神宮 」 岡 本 平 仁 会員

出雲大社と伊勢神宮には興味深いシンメトリー対称性があります。伊勢神宮は飛鳥の都から真東の日が昇る方角、太平洋を望む位置、司る世界が現実界である。かたや出雲大社は、日が沈む方角西方、日本海、司る世界が幽冥界となります。出雲地方は、弥生時代には何らかの祭祀空間として意識され、古墳時代前期・終末においても祭祀行為が行われていたことが明らかになってます。また、赤めのう製の勾玉は、出雲で作られていました。霊力のある勾玉を長期にわたって生産していた出雲は特別な地であると考えられます。
七世紀後半、記紀神話を完成させた天武・持統王権が、単なる世俗王と祭祀王を併せ持つ通常の律令王権であっただけでなく、東西軸の世界観をもち出雲の霊威力を備えていた超越神聖王権でありました。
出雲は大和王権の守り神であると位置づけ、大和王権を支える第三の力に出雲の霊威力をもってきた。そのための神話であり、神社なのです。海上から昇る清新な太陽を拝することが出来る地、伊勢に自らの皇祖神を奉り、西方の海上に美しく赤く輝きながら太陽が沈み行く出雲の神々の世界を出雲大社で奉る。「内なる伊勢」と「外なる出雲」という東西の象徴的霊威的存在は、遣隋使で「日出ずる処の天子」と自称し、古くから「日の御子」と讃えられてきた大和王権の世界観を表しています。
中国王朝が南北軸を基本とする世界観であったのとは大きく異なり、その違いがすごく興味深く感じます。(八世紀以降の日本は中国王朝の影響による律令国家的な南北軸の世界観が中心となってくる)九世紀後半〜十世紀にかけて、律令制から摂関制へという大きな政治体制の転換が起こる。
祭祀王的機能は天皇に、世俗王的機能は摂政・関白へと体制が形成されたそれを可能にしたのが、外なる出雲がすでに存在していたので、新たな外部の摂関がそれにかわって政治的な意味での補弼装置として機能していくこととなる霊威的な補弼装置であった出雲が、その役割の変化にともない、神々の故郷としての出雲へと変化していき、神無月に全国の神々が参集する出雲の誕生となる。

素戔嗚尊 日本初の和歌 雲が立ち上がる風景を見て

 八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣作る その八重垣を