岸和田東ロータリークラブ 国際ロータリークラブ第2640地区
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制作:資料管理・OA委員会
 

第1682回例会 2月25日(金)

『 トピック 』

米山功労者表彰



第15回メジャードナー 中井義尚会員
第11回メジャードナー 谷川 泉会員
第10回メジャードナー 加藤寿昭会員
第 5回マルチプル 坂東桂子/宮本治子 各会員
第 2回マルチプル 大河内忠継/岡本平仁/岡部長禮/山元芳裕/和田史子 各会員

  『 −今日の子どもの成育− 』 
市立岸和田市民病院  院長 瀬 戸 嗣 郎 様 

 三つ子の魂百までと古くから言い慣わされています。人の脳の発達は乳児期が最も急速で、3歳の終りには成人の脳重量の83%に達します。その間の刷り込みがその後の人生に最も大きな影響を与えそうだということは理解できます。また、その時期の愛情不足や虐待が潜在的にトラウマとして残り、長じて大きな問題を引き起こすこともあります。一方では、動物に比べて人の赤ちゃんの発達はゆっくりであるともいえます。牛馬は出生当日に立ち上がりますが、人は1歳過ぎまで自立歩行ができません。人の場合、0〜1歳の頃は体外妊娠期間であるという学説があります。つまり、まだ母親の懐の中で守られている必要があるわけです。愛情深い育児環境が重要です。子育てのなかで、集団社会生活における規範を教える(しつけ)ことも大切です。自我が発達し始めるのが3歳頃ですから、そこが教育、しつけの重要なポイントであり、三つ子の魂が形成されます。親子ともに相互に自立を促すことも必要です。
 近年の少子化や育児環境の変化は、人を動物としてみた場合に、子育てを大変困難な状況にしています。子どもはそもそも群れを作り、その中で社会的な教育をされますが、学校的なもの以外にではそういった環境が少なくなりました。兄弟がいなくて、毎日近所の大勢の子どもと遊ぶ機会もなく、上下関係、力関係、保護・被保護、集団内ルール教育などを体験することが稀になりました。また、子どものナイーブな心は、自然から多くのものを学ぶことができます。自然との触れ合いは、情緒や知識を深めてくれ、生きていく上での知恵を授けてくれます。自然に対する畏怖と敬意も学びます。しかし、身近な生活環境から生の自然が失われました。そうしたことから、我慢する心を醸成する自然・社会環境が少なくなったと思えてなりません。家庭環境でいえば、電子ゲームの氾濫、居住環境の改善による個室化、親との乏しい触れ合いの時間など、コミュニケーション能力の発達を阻害するものばかりです。
 文明の発達と裏腹にある不都合な子育て環境を変えることは難しい。何とかいい代替策を考えて、子育てに取り組む必要があると思います。また、高齢化に伴い、子育てにおける祖父母の役割はますます重くなってくると思います。

                                        (卓話担当:谷川 泉会員)