岸和田東ロータリークラブ 国際ロータリークラブ第2640地区
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第1680回例会 2月4日(金)

  『 トピック 』

2月度会員誕生日



和田 健志/西村 良一/川植 康史/齊藤 一典/
寺田 美昭/宮本 治子/池内清一郎/渡辺 泰敏 各会員

  『 モノづくり 』 坂 本 光 文 会員 

 私の会社は製造業で、大手農業機械メーカーのエンジン部品を作っております。
 完成したエンジンは、トラクター・コンバイン・田植え機・草刈り機・その他に建設機械など多岐にわたり搭載されています。
 近年の製造業を取巻く環境は、大変厳しくなって来ています。新興国や後進国の目覚ましい発展で、低価格による国際競争です。
 私は、資源の無い日本ですが、世界トップの開発力と技術力を持っている国だと思っています。知恵と技術で造る『モノづくり』です。日本経済を牽引しいてる自動車産業や家電製品その他、世界のトップ行く産業は幾つも有ります。
 今日、私がお話するのは、自動車産業で採り入れられたトヨタ生産方式を軸に始まった
日本の『モノづくり』です。
 トヨタ生産方式とは、豊田喜一郎らが提唱していた考えを大野耐一らが体系化したものである。その柱なるのが[7つのムダ]削減、ジャストインタイム、自働化である。おもに製造現場およびそれに付随するスタッフ部門で用いられている手法であるが、その考え方を基に間接部門や非製造業へ適用させていった業務改善手法をトヨタ式とも呼ぶ。なお、トヨタ生産方式の確立にあたって、鈴村喜久雄などの貢献を忘れてはならない。(張富士夫も鈴村にしごかれた一人)彼らの努力が無ければトヨタ生産方式はただの掛け声に終わっていたであろう。
因みに、トヨタ生産方式はNPS(New Production System)研究会へと引き継がれ現在に生きている。

トヨタ生産方式では、ムダを「付加価値を高めない各種現象や結果」と定義している。このムダを無くすことが重要な取り組みとされる。ムダとは、代表的なものとして7つがあり、それを「7つのムダ」と表現している。
 1. 作り過ぎのムダ
 2. 手待ちのムダ
 3. 運搬のムダ
 4. 加工のムダ
 5. 在庫のムダ
 6. 動作のムダ
 7. 不良をつくるムダ
※ 7つのムダを改善しないことを8つ目のムダとすることもあります。

(1)ジャストインタイム
 「7つのムダ」を排除し、極力在庫を持たず必要なものを、必要な量だけ、必要な時にジャストインタイムで生産するなどの特徴を持つ。
(2)かんばん方式
 使用した部品の補充を知らせる「帳票」をかんばんということから、かんばん方式とも呼ばれる。
(3)多能工
 1人の作業者が複数の工程の作業をこなせるようにトレーニングすることである。これにより生産負荷が低い工程から高い工程へ人員を柔軟に移動させ、負荷の平準化を常に行えるようにする。  1人で複数の加工機械を受け持ち、工程の少人化を実施する。
(4)自働化
 「無駄の徹底的な排除」を実現するための方法の一例として、「自動化」・「機械化」の意味合いを持つ言葉である、自働化がある。無駄は排除しなければならないが、合理化を進めるあまりに従業員の人間性やインセンティブ(労働意欲)を無視してはならない。このことから、トヨタ自動車では自動化の事を自働化と呼んでいる。にんべんのついた自働化「自働化」とは、不良が発生した際に機械が自動的に停止し、後の工程へ良品のみを送るようにすること、公式ページでは通常の加工が完了したら機械を安全に停止させることも指すとしている。豊田佐吉が発明した自動織機に、稼動中に糸が切れた際に自動で停止する装置が組み込まれていたことに由来している。自動機械は人が止めるまで動き続けるが、その最中に調整がずれたり、供給される材料に異常があっても止まることなく動きつづける。この結果、多くの不良品を作りつづけることとなり、7番目の無駄の元凶となってしまう。最近でこそ各種センサーが高性能・低価格で普及し、自動停止は浸透しているが、この言葉が言われ始めた昭和40年代は、「オートメーション」という言葉が「最先端=高効率」と同義語として受け取られる風潮があり、「止まらない」機械が殆どであった。
(5)カタログエンジニア
 トヨタ生産方式では、買ってきた機械類を何の工夫もせずにそのまま使うことは好ましいとはされていない。機械を買ってきて、そのまま組み合わせて使用しているだけの人は「カタログエンジニア」どと呼ばれる。買ってきた機械に人間の知恵を織り込み、カタログ通りに機械を使う他社に対して差をつけることが求められる。人が関わらない自動化をしてしまうと、機械へカイゼン(改善)の知恵を織り込めなくなることから、カイゼンを持続的に行うためにも人が関わる自働化が重要となってくる。
 以上、簡単にトヨタ生産方式の概略を説明しましたが、私共は現在、5ゲン主義改善活動に取り組んでおります。

5ゲン主義

(1)5ゲン主義を簡単に説明します。
 企業の目的=最小の投資により変化(加工)を起こし最大の付加価値を生み出す変化(加工)=原理・原則に基づいていなければならない。 
 原理: 物理法則のようにどの時代にも不変なもの
 原則: 時代と共に変わってゆく常識、具体的には技術レベル
 5ゲン主義=3現【 現場・現物・現実 】
        +
        2原【 原理・原則 】
 「ある加工を対象として考える時は、現場へ行って現物を通じて現実(変化)を原理・原則という物差しと対比して考えること」が重要である
3現(現実の姿)
 =現場・現物・現実・・・自社の実力「モノ造り技術」
2原(あるべき姿・物差し)
 =原理: 物理法則のようにどの時代にも不変
 =原則: 時代と共に変わる常識・最高世界水準の技術レベル
 (1) 知恵を出して改善、改革をして差を埋める
 (2) 知恵を多く出す人を育てる
 (3) 差の改善が(5ゲン主義改善)
 (4) 5ゲン主義思考では 物事、何でも考え方が
   わからないとダメ、考え方が大事です
   考え方×(能力=知識+体験×熱意=問題意識
   +やる気×行動力=思考+決断)
   =アウトプットする事です。
 いくら能力があっても、いくらやる気があっても、考え方がダメ(ゼロ)であれば結果はゼロである。考え方は、1か0である。考え方が正しいと物が見えてくる。

企業経営と5ゲン主義
(2)企業の目的

 5ゲン主義思考が企業の中で活かされていくためには、企業の目的は何かを理解していることが前提である。5ゲン主義思考は問題解決の手段であり考え方であるので、企業の目的に沿ったモノでなければ意味がないからである。企業の目的(ゴール)の1つは利益を確保することである。大阪で言う「儲かりまっか」であり、TOP(制約理論)バイブルの和訳「ザ・ゴール」ではメイクマネー(金儲け)である。この利益はモノを 造るプロセスにおいて付加価値を高め、売価(モノの売れる値段)と原価(モノを造るために発生する費用)との間の正の差を生じさせることである。
(3)利益とは
 原価を下げることが利益確保に直結する。原価を下げることは、ムダIT(Idle Time)「ムダ=お金にならない変化」の徹底した排除と、付加価値FT(Function Time)「ムダでない部分=お金になる変化」
に対してより高い付加価値を付加する為の追求を
することである。そのために(利益を生むのは何か)理解出来なければならない。
 付加価値を生み出すという点でどんな企業にも共通しているのは、外部から経営資源といわれる人・物・設備・時間・情報を持ちこみ、これらの変化(加工処理)を起こさせることである。そのプロセスにおいて、ミニマム投資で付加価値を生み出すことが企業の目的である。
 製造業を取巻く現状は、厳しい国際競争の中で価格・品質・環境対策など様々な状況の下『モノづくり』が行われています。

※補足説明(品質と環境)
[品質]
 ISO 9000シリーズは、製品やサービスの品質保証を通じて組織の顧客や市場のニーズに応えるために活用できる品質マネジメントシステムの国際規格の事です。
[環境]
 REACH規則とは、Registration(登録),Evaluation(評価),Authorization(承認)of Chemicals(化学物質)の略で,EU(欧州連合)が2007年6月1日に施工された、新たな化学物質規制である。高懸念物質「SVHC」が対象です。