岸和田東ロータリークラブ 国際ロータリークラブ第2640地区
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第1662回例会 9月24日(金)

  『 大阪府政の現状と課題 』 大阪府議会議員 永 野 孝 男 様

 大阪が東京都並び、2眼レフと言われた時代は随分遠い過去のものとなりました。
 近年の東京一極集中により、大企業の本社機能が東京に集中する傾向が続いています。それが為、特にバブル経済崩壊後の大阪経済は低落の一途をたどっています。バブル経済崩壊後、家電やパネル等の先端型産業のリードにより元気を取り戻しつつあった産業界は、リーマンショックによって再び大打撃をうけました。以後、中小企業中心の大阪産業は未だ低迷が続いています。失業率も高く、生活保護家庭が急激に増加しています。
 その昔、大阪は繊維産業で栄え、一時は関西圏だけでイギリス一国をしのぐ程の生産高を誇り、東洋のマンチェスターと呼ばれた時期もありました。今は、東アジアや東南アジアが大きな生産拠点となり、これに適切な対応が出来なかった我国、特に関西圏は大きな打撃を受ける事になりました。
 大阪の税収入も平成3年ごろをピークに下降の一途です。昨年は初めて1兆円を下回る税収となりました。大阪経済は極めて危機的状況にあると言えます。
 大阪はもうダメなのか?
 いや、決してそんな事はありません。大阪には古来より培われた豊かな文化、液晶、太陽パネル、太陽電池等環境型の先端産業、バイオやロボット等の高い技術、人工衛星までつくる中小企業群、今、大阪のベイエリアにはそうした未来型の産業集積が始まっています。岸和田にも、ちきりアイランドに(株)大阪チタニウムテクノロジーズという世界で5本の指に入ると言われるチタンメーカーが操業を始めました。そして、24時間運行可能な4千米級の2本の滑走路を持つ関西国際空港があります。関空は2桁の経済成長を誇る地域に2時間で飛んでいける好位置にあります。こうした既存のストックを活用すれば大阪はまだまだ大丈夫、世界の一流都市に再生できるチャンスは充分である、として大阪再生に立ち上がったのが橋下徹知事です。
 2年半前、平成20年1月知事に当選、就任するや否や直ちに当初予算案を暫定とし、収入の範囲で予算を組むとして、4月改革PT試案を発表、その内容は医療、福祉、教育等一切聖域を認めない厳しいものでした。あげくの果ては「大阪府の職員は破産会社の従業員と思え!」とゴーゴーたる非難を受け乍ら、見事に当該年度決算を黒字化しました。そうして作り出した新たな財源を、教育、福祉等知事特例枠として予算化、財政再建への道筋を立てました。これが「大阪維新プログラム案」です。
 橋下知事は大阪の再生を進める中で、重要なポイントに気づきました。大阪エリアには、大阪府とその中心に大阪市が共存しています。大阪市には政令指定都市として府県並みの権限が与えられています。つまり全国1(実は2位)小さい府県の中に、2つの県が同居しています。重要な政策の決定には、常に府市の合意を必要とするが、利害が反するとなかなかうまくいかない、その結果府も市お各々の立場での施策展開となり、府市の不整合が大阪の発展阻害要因となっています。
 昨年だけでも、水道事業の統合案が決裂、大阪経済の再生を図る立場から関空の機能を高めるため伊丹空港廃港をめぐって、橋下知事は賛成、平松市長は反対となった。これを称して“府市あわせ”(不幸せ)といわれる。橋下知事の呼びかけで、この閉塞感ただよう大阪を元気にするため“大阪を一つにする”府市を再編し大阪都をつくるため、大阪維新の会がスタートしました。
 当初は、東京都区をモデルに進めてきましたが、東京の状況を調査すると都区からは不満があり独立を期待する意見が多く、今は、法改正を要する府と市を一つにする大阪都よりも大阪市を適当な規模に分割する、分市案の方が独自の条例改正に完遂できるので、より現実的であると考えています。この「ONE大阪」を実現するため、来年の統一地方選挙には、府、大阪堺両市議会の全ての選挙区に候補者を擁立、一気に各議会の過半数を確保、その後、年末の大阪市長選にも大阪維新の会候補を擁立することにしている。大阪市長候補に橋下知事が、そして府知事に、辛坊治郎氏が出馬するのか?興味はつきません。今後の熱い大阪に乞うご期待。