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『福嶋真実様のご紹介』 |
国際奉仕委員会 日 野 浩 志 委員長 |
現在、和歌山県立那賀高等学校国際科3年に在籍されています。2006年度8月から昨年の7月までスウェーデン王国のスコーネ地方に、岩出ロータリークラブから派遣されました。現在は、ROTARY2640地区のROTEXとしても活動されております。
「ROTEX」について少しご説明を致します。
ローテックスとはROTary EXchangeを略して出来た言葉です。ロータリーの奉仕の精神を受け継ぎ、感謝の気持ちを形にするという意味です。
国際ロータリー青少年交換プログラムに基づき、世界各国で約1年を過ごした交換留学生のOG・OBで構成され、受け入れ学生と派遣予定学生のサポートを目的に活動されています。
主な活動として、
※ 派遣・受け入れ学生 一泊オリエンテーション参加
※ 日本食作り
※ クリスマス会
※ お別れ遠足
※ 卓話活動 などです。
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『スウェーデン留学』 |
ROTEX 福 嶋 真 実 様 |
こんにちは。私は、2006年度〜2007年度にわたってスウェーデンのスコーネ地方に派遣させていただいていた福嶋真実です。岩出ロータリークラブからDC2600地区Angelholm Rotary klabbun luntertunに留学させてもらっていました。私にとってスウェーデン留学とは、たくさんの事を学び、考え、経験、することができた時間であり、また日本を離れることにより改めて日本の素晴らしさを感じることができた貴重な時間でした。
これからスウェーデンの紹介や留学生活について話していきたいです。
まず、最初にスウェーデン語を少し話します。
Hej. Jag heter Manami Fukushima och bodde jag i Sverige. Jag alsker Sverige eftersom dar ar fantastisk!
スウェーデンは日本の約1.2倍の面積で人口およそ900万人が住んでいます。900万人というと、大阪府の人口より20万人多いだけです。私は南スウェーデンのスコーネ地方、エンゲルホルムという地域で生活を送っていました。スウェーデンのストックホルム、ヨーテボリなどの大きな都市では日本人留学生がいますが私の住んでいた街では他に日本人はおらず私は街でたった1人の日本人でした。そのおかげで友達が珍しがって話しかけてくれたり、地元の新聞記者が取材に来たり、慣れるまでの始めの3ヶ月間はとても忙しかったです。
最初の4ヶ月間は1stホストのパルメン一家のみなさんにお世話になっていました。一昨年の8月25日待ちにまっていた私の留学生活がスタートしました。出発日当日、乗る予定の直行便の飛行機が欠航になり、予定外の乗り継ぎ便となりました。成田〜コぺンハーゲンまでの13時間多くの期待と少しの不安の気持ちでいっぱいでした。第一ホストのパルメン一家はお母さん、お父さん、お爺ちゃん、お婆ちゃん、2人のお姉ちゃん、弟の7人家族です。スウェーデンでは2世帯家族は極めて少なく、その理由に多くの人が老人ホームや介護施設を利用しているからです。スウェーデンといえば高福祉・高負担と言う言葉が有名です。“高負担”ということが有名であるように、スウェーデンの消費税率は一般に25%です。他にも住民の所得から約30%の地方税が徴収され、所得が多い人は国税も別に徴収されます。この高負担は、全て社会保険のためにつかわれており、社会福祉や保健の料金はスウェーデン国民なら無料で公平に受けることができ、病院の治療費から大学の授業料まで、国がほとんど負担しています。国民にとって高負担を負うことは確かに大変だと思いますが、日常生活の不安や老後の心配が必要ないことや、国民全員が貧富の差なく平等に生活出来ることは、大変素晴らしいことだと思いました。学校でも給食が支給されていて中学生までは無料で食べることが出来ます。
ちなみにスウェーデンの主食はじゃがいもで、必ず1日に1・2回食べられます。次にパスタやお米などが多いです。伝統料理はミートボールやニシンの酢漬けなどです。スウェーデンのニシンの酢漬け缶詰は世界一臭い食べ物でも有名です!!私も実際缶詰は食べたことがないですが室内で開けると1週間くらい臭いが消えないので野外パーティーなどでしか食べないそうです。次回スウェーデンに行った時にはぜひ挑戦してみたいです!!
スウェーデンではスウェーデン語が使用されていてアルファベットは英語と同じ26文字プラス、スウェーデン語記号3文字です。発音も英語とは異なります。出発前にスウェーデン語をあまり勉強せず「1年も住むのだし大丈夫だろう!」と甘い考えでいたため最初の1ヵ月はホストや友達同士の会話、テレビ、ラジオなど日常会話においても全くわからず出発前にもっと勉強しなかった事を後悔しました。始めは勉強しても会話から単語がやっと拾えるぐらいでなかなか理解できず私も早く喋れるようになりたい!!と思っていました。最初の3ヶ月間は英語混ざりの会話でしたが、3ヵ月以降はスウェーデン語だけの会話を意識しました。慣れない生活の中、ホストファミリーや友達には本当にいろいろな面から支えていただきました。単語の1つ1つを丁寧に教えてくれたり、スウェーデン語を教えにきてくれた友達、わからない時には紙に絵を描いたり、ジェスチャーをして気持ちを伝えた事もよくありました。みんなの協力で日々の会話を通して自然とスウェーデン語を身につけることができました。半年が過ぎた頃には私のスウェーデン語もましになり日常会話はなんとか成り立っていたと思います。家族や友達と一緒に笑えること、冗談を言ったり、相談しあったり、時には喧嘩もしたり…日常生活をしていると当たり前のようですが気持ちが互いに通じ合えた時、本当にうれしく感じました。
私がスウェーデンで生活をして、1番関心を抱いたのは、スウェーデンの社会制度です。特に、ホストファミリーの生活を見るだけでも、男女平等がすごく発展しているという事を強く印象に持っています。スウェーデンでは、学校長に女性が就く場合が多く私の高校も女校長でした。内閣では、男性の大臣11人に対し、女性の大臣も11人います。また、女性のロータリーアンも多かったです。
家庭的な面では男性も育児や家事に積極的に参加しているところです。多くのスウェーデン人男性が育児休暇を利用している点や、ホストのお父さんがよく料理を作ったりしていた点など日本との相違点が多くとても驚きました。
スウェーデンの冬は日本に比べると、とても寒いです。私の住んでいた南スウェーデンは、北スウェーデンと比べるとまだ暖かいですけれど、1月・2月には最低気温が-10℃ぐらいになります。けれど温暖化などの影響などで、毎年降雪量が減り、気温も上昇しているらしいです。実際に一昨年の初雪は、11月1日だったのですがその後雨が降り雪が溶けてしまい結局雪が積もったのは1月中旬頃でした。アイスホテルで良く知られているキルナの1月平均気温は-14℃で最低気温はー25℃ぐらいだと聞きました。
3月の下旬にスウェーデン全域のRotary主催スキーキャンプがオーレで開催されました。オーレは去年の世界スキー選手権大会が開かれた場所です。マルメという首都からオーレまで夜行列車で13時間かかりました。この旅行には40人の留学生が参加していて、私がスウェーデンに来て初めて日本人留学生と交流する事ができました。
私は、このスキーキャンプで友達とはぐれて山で遭難してしまいました。遭難した時は何をしたらいいのかわからず、周りの人に道を聞き、最終的に補助員さんが山のふもとまで案内してくれました。動揺してスウェーデン語も英語も話せませんでした。私はこの時初めて日本に帰りたい!と思いました。
このキャンプに行き、スウェーデンで初めて日本人留学生と会い日本語で話をすることが出来て、改めて母国語で会話できる嬉しさを感じました。この留学生たちに会うことにより、互いに相談し、悩み、励ましあったりして、とてもいい出会いとなりました。
クリスマスはスウェーデンで1番大きなイベントでクリスマスイブの日に家族や親戚みんなが集まりパーティを開きます。12月に入るとスーパーなどでクリスマスツリーが売られているのをよく目にします。一般的にクリスマスツリーは室外用と室内用の2本が用意されます。クリスマスイブの当日はツリーの下にプレゼントを置き食事後みんなで交換します。ユールボードと呼ばれるクリスマス特別の食べ物が並べられ歌を歌ったり、ダンスを踊ったりみんなでお祝いします。クリスマス専用のお皿や、グラス、テーブルクロスなどたくさんグッツがあり驚きました。
ルシア祭とはスウェーデンの伝統行事で、冬至までは日照時間が短く北では太陽が昇らず、南では6時間ほどしか日が昇らないのです。冬至の闇の暗さを恐れた人達を助けるためルシアという女性が白いドレスを着てロウソクを灯し歌を歌いながらみんなを元気づけたことからこの行事が始まったそうです。クリスマス前になると学校の生徒や合唱グループたちがいろいろな場所でコンサートを行います。私もこの行事に参加し、ロータリークラブと学校で発表しました。
2007年になりホストファミリーが変わりました。moll一家に7ヶ月お世話になりました。兄弟は4人と多く、20歳のお姉ちゃん15歳の妹と12歳、9歳の弟達がいました。15歳の妹とは年齢が近いということもありすぐに仲良くなれました。彼女とはいつも一行動を共にし、ふざけ合ったり喧嘩をしたりと本当の姉妹のような仲でした。
moll一家のお父さんはデンマーク人で家族も5年前までデンマークに住んでいたこともありデンマーク語をみんなが喋っているときもありました。もちろん私にはスウェーデン語で話しかけてくれたのですが引っ越した時は家族の会話がわからず少し困りました。スウェーデン語とデンマーク語は似ていますが慣れるまで理解することは難しいと思います。デンマーク語を聞くうちに私も少しわかるようになりました。
6月7日に学校が終了してから家族全員でスウェーデン旅行にも連れてもらいました。私は南スウェーデンしか知らなかったのでとてもいい機会となりました。古城や大きな湖を見たり、改めてスウェーデンの大自然を感じることができた旅行でした。
7月に入りRotary主催の約3週間のヨーロッパツアーに参加してきました。スウェーデンから出発し、デンマーク、ドイツ、ポーランド、チェコ、オーストリア、イタリア、フランス、ベルギーと8カ国の旅となりました。それぞれの国の文化、歴史、史跡、風物などを感じることによって、同じヨーロッパなのにこんなに違うんだなと驚きました。特にドイツを中心に歴史が深いと改めて思いました。
留学生活中たくさんの留学生たちに出会いました。名刺を数えるだけでも100人を上回ります。スウェーデンの友達とももちろん仲は良かったですが、スウェーデンで1年間過ごしたという同じ経験を持つ留学生同士にしかわからない事もありました。スウェーデンには主に、アメリカとオーストラリアからの留学生が半数を占めます。始めは彼らの話す英語のスピードになかなかついていけませんでした。最初のミーティングは何もわからず悲しかったのを覚えています。回数を重ねるうちに慣れて、今では多くの留学生の友達がいます。留学生は、それぞれにすごく個性があり、相談したり、励ましあったり、一緒にいると元気になりました。留学生を見ていると、その国のその国の性格が出ていて興味深かったです。もうみんなに会えることは難しいけれど、この出会いをいつまでも大切にしたいです。
留学生活を振り返ると時間の流れは本当に速いものだと痛感します。この1年間の留学生活でたくさんのことを知り、学び、経験することができました。私にスウェーデン留学の機会を与えてくださったロータリークラブのみなさん、サポートしてくれた家族のみんな、本当の家族のように接してくれたホストファミリー、暖かく迎えてくれた友達たち、に心から感謝の気持ちを伝えたいです。この留学で経験した事は、私の生涯忘れられない宝物です。これからはRotexとして留学生のお手伝いや国際貢献、日本とスウェーデンの国交を深める役に立っていきたいです。本当にありがとうございました。 |
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