第1 はじめに
1 人口減少社会がビジネスに与える影響 マーケットの縮小や人出不足
マーケットの縮小 消費しなくなる高齢者層の割合の増加
実人数の減少以上に消費量が落ち込む「ダブル縮小」
1997年から2001年この5年間の出生数 593万3690人
2017年から2021年この5年間の出生數 438万2242人
この20年で新規学卒者が4分の3になると、求める人材を確保できなくなる。
また、2050年 消費者の4割が高齢者となる
高齢化率 2022年9月15日時点 29.1%
2050年代 約38%
2040年 80歳以上の人口は1578万人 総人口の14.2%
第2 各業界に起きること
1 製造業界
この20年間で製造業の就業者数は1202万人から1045万人と157万 人減少 問題は、年齢構成 2021年時点の34歳以下の就業者数は、25.2% 他方、就業者数は、全体の8.7%が65歳以上
技術の承継を困難にする
2 自動車産業
中心的な購買層は30代、40代であるが、今後30年で、30代前半だけでも3割減る。
自動車整備士 2023年度と2016年度を比較すると、44.7%の減少
20代の免許保有者数
2001年1569万9659人
2021年1002万4557人 36.1%減少
3 物流業界
ドライバー不足で10億トンの荷物が運べない
ドライバー数、2015年約76万7000人、2030年約51万9000人 で32.3%減
他方、宅配便の普及により、需要と供給のバランスが崩れる。
4 住宅業界
持ち家の保有率は、30代が24%、40代が49%である。今後、30年で30代前半が約3割減少することから新築住宅が売れなくなる
また、晩婚化で新築ではなく中古住宅の需要が高まる。
さらに空き家等からリフォームも需要が高まる
5 建設業界
建設投資1992年約84兆円がピーク、20210年約58兆円約30%減 今後、社会インフラの整備が必要で一定の需要が見込める
しかし、就業者数 2017年から2040年にかけて約4割減少するともに高齢化 2021年 55歳以上が35.5%
6 医療業界
医師 毎年3000人から4000人ずつ増加
「患者不足」は、地方圏ほど早く訪れ、2025年から2040年にかけて21県で65歳以上の人口が減る 75歳以上の人口減少は17府県
入院患者数は高齢者人口が最高値に近づく2040年にピークを迎える
入院患者数を高齢人口の医療機関別にみると、
2020年までに89ヶ所の二次医療圏でピークを迎えたと見込まれ、2035年までに260ヶ所でピーク
外来患者数については、既に減少している医療圏が多く、2021年までに214ヶ所でピークを迎え、全国で計算しても2025年にピークになる。
患者の大多数は東京に集中
2021年10月1日現在の65歳以上の高齢者数3621万4000人
2040年の高齢者数を3920万6000人と予測している
約300万人増えるが、そのうち60・5%は東京圏での増加
7 開業医に関すること
大半は保険医療 患者不足が生じたとしても「値上げ」できない
自由診療に活路を見いだそうという動き 美容外科 皮膚科
診療所に従事する医師の高齢化が進み、「無医師」の地区が増える
8 人口減少が公務員にもたらす影響
少子高齢化に伴い、新規採用が困難になっている。
警察官については、採用上限年齢を30代半ばとしている。
2022年 50~65歳は21.6%だが2042年には40.6%
第3 ではどうするべきか
1 事業拡大路線からの決別
パイが少なくなる
100のパイで 60%のシェアを有していたとしても
パイが80となり、シェアが70になっても売り上げが減少
2 事業の選別
残す事業とやめる事業の選別
3 製品・サービスの付加価値を高める
「薄利多売」から「厚利少売」 マーケットとの対話