まず私は、
アリタ毛織株式会社の有田武史と申します。よろしくお願いいたします。
業務内容は、日本製の毛布の90%以上を製造しております、泉大津市と泉北郡忠岡町にて、毛布・ブランケットのOEMを専門に、シルクやウールなど天然繊維を中心としたいろいろな素材の毛布を製造しております。
主な実績としましては、忠岡町のフラワーアーティストとコラボして、今までにないお花柄の毛布の柄をデザインしていただいた毛布を製造しました。
また、ニューヨークでの展示会に出店した際には、シルク毛布が海外では珍しく素晴らしい肌触りということで、高級インテリアショップで販売されていたこともあります。
製造コンセプトは、「くるまる」でものづくり。
安心できるから「くるまる」信頼出来るから「くるまる」
くるまれる商品と、安心して任せていただける「私」を目指して努力しております。
毛布の軌跡
真田紐が泉州地域にあった木綿織りの技術とドッキングしたことが起源と言われております。
明治になって、赤ゲットとよばれる輸入毛布が入ってきました。
このころはまだ寝具としてではなく、羽織物として使用されていました。
この赤ゲットを参考に、牛毛布を製造。
ご想像通り、ゴワゴワしていて臭いので、評判は良くなく失敗。
そこから紡績技術、起毛技術が発展していきました。
良かった時代
昭和24年から10年間ぐらいは、一大毛布ブームで「ガチャ万」時代と呼ばれており、その後もマイヤー毛布の登場(S48年)、加工の進歩、こたつ毛布、夜着、紫毛布、般若心経毛布など、いろいろな種類の毛布が開発されました。
「ガチャ万」とは、織り機械が糸を1本織り込むときに鳴る機械の「ガチャ」がウン万円になると、揶揄された言葉です。
現在の国産毛布の国内流通量は、全体の約10%(100万枚程度)まで落ち込んでいます。
毛布の種類(作り方)
毛布には、作り方によってほぼ2種類に分けられます。
織り毛布とマイヤー毛布です。
織り毛布は、糸を1本ずつ織り込んで生地を製造していく方法です。
ロットが少なく、天然繊維や高級毛布に多い製造方法です。
起毛加工により、生地を引っ掻くことで毛羽を出していきます。
マイヤー毛布は、糸を編み込んで生地を作っていきます。
ロットが大きく量販店向けの大量生産型の毛布に多いです。
細い糸の一本一本が毛羽になるイメージです。
織り毛布の工程について
わたから糸へ(紡績屋)→糸を数本に撚る(撚糸屋)→糸を染める(染色屋)→
生地を織る(毛織屋)→毛を出す加工(起毛屋)→縁飾りなど縫製(縫製屋)→
検品や梱包→出荷
毛布を1枚製造するために、たくさんの会社と人が関係しています。
この分業制は、1842年より記録されており、日本でもかなり早いマニュファクチュアの始まりだとも考えられています。
起毛技術
毛布のベースとなる生地から毛羽を出す加工は、起毛と呼ばれております。
起毛針と呼ばれる針がたくさんついたローラーに、生地を丁寧に何度も何度もゆっくり通すことで、生地全面からからムラの無い毛羽を出すことが出来ます。
特に、シルクの生地から毛羽を出す起毛技術は、非常に優れております。
それが、日本のシルク毛布が海外でも評判がよい理由の一つです。
これからの取組み
今後も一大毛布産地としてありつづけるためにも、泉大津市の商工会議所と日本毛布工業組合により、展示会のサポート、ブランディング、勉強会、毛布の日の制定など、業界の底上げのためにもいろいろなサポートやアクションを続けております。
また、個社レベルでも新しい提案先や、B to C向け商品の開発等、努力し続けております。
それぞれの活動が、分業制の継続、業界の活性化、産地発展につながっていければと考えております。