第2175回オンライン例会報告[2022年9月9日(金)]

会長の時間

  木戸伸男会長

 

 

皆さん今日は、本日もよろしくお願いします。

台風11号は、今までにないようなルートで先島諸島・沖縄に接近し長時間停滞、北へ方向転換するや勢力を拡大し、九州北部に接近するという台風でした。幸い直撃は免れ、九州・本州では今のところ大きな被害は発生していないようですが、気象庁の予想では、今年は日本に接近する台風が多いそうなので気になります。

さて、昨年の10月に卓話させて頂きましたが、最近、令和5年10月1日から実施される「消費税インボイス制度」の内容についての質問が見受けられますので、「インボイス制度」のポイントだけ簡単にお話します。インボイスは、納品書、請求書などを意味します。

日本の消費税法は平成元年に施行され、改正を重ねて現在に至っております。

その中で唯一改正されることなく残っているのは、一事業年度の売上高(税抜き)が、1,000万円以下の事業者に対する免税制度です。言い換えれば、申告納税義務が免除される制度です。これは消費税の課税事業者としての小規模零細事業者への配慮が改正されずに残っていました。現行の消費税法では、買い手側が支払った消費税は、売り手側が免税事業者であっても、すべて控除対象となりますが、売り手側は免税事業者であり申告納税義務がない為、納税されていない消費税が売り手側の利益として残ります。これを排除する為、インボイス制度が制定されました。

インボイス制度は、「適格請求書等保存方式」と言い、事業者登録制度「適格請求書発行事業者登録制度」を基本としています。令和5年10月 1 日以後の請求書には、現行の請求書等の記載事項に、適格請求書発行事業者の 「登録番号」 を記載する必要があり、この登録番号は事業者が税務署に申請して取得しなければなりません。登録番号は、課税事業者でなければ取得できません。現在、売上高が1,000万以下で免税事業者の事業者は、登録番号を取得する申請を提出すれば 自動的に課税事業者となり、原則 取りやめは出来ません。

インボイス制度施行後は、買い手側が消費税申告書の仕入れ税額控除額(支払った消費税合計額)を計算するとき、「登録番号」の記載のない事業者に支払った消費税は控除できないことになります。すなわち支払った事業者が負担することになってしまいます。経過措置はありますが、インボイス制度施行まであと一年となります。仕入れ先・下請け先・外注先等の取引先の 「登録番号」の確認・報告依頼作業を早めにすること、もし免税事業者であれば事前に協議すること、又 こちらが売り手側であれば登録番号を取得し、取引先に通知する必要があります。 事業者登録申請は原則、令和5年3月31日までとなっております。

以上会長の時間でした。

卓話

「ロボットプログラミングってな~に?」

㈱Hats Create 代表取締役 都 亜紀様<br />
(担当:近江和代会員)

㈱Hats Create 代表取締役 都 亜紀様
(担当:近江和代会員)

 

「プログラミングってな~に?」というテーマですので、まず、プログラミングとは何なのかをお話します。「プログラミング」とはプログラムを作ることです。では「プログラム」とは何かというと、今まで人間がしていたことを自動化するために処理手順を記述したもののことです。この処理手順をコンピュータに覚えさせることによって、自動化が実現するということになります。

コンピュータと言われると頭に浮かぶのがパソコンですが、それ以外の家電製品などにもコンピュータが入っています。洗濯機はボタンを押すと自動的に洗濯してくれます。これは、洗濯機に内蔵されたコンピュータ内に洗濯手順を記述したプログラムが記憶され、それに従って洗濯機を構成する機器が動いているからなのです。

現在世界を席巻している企業の多くは、IT(情報技術)、ICT(情報通信技術)、コンピュータサイエンス、AI(人工知能)といった技術により社会の生活様式を変革している企業です。このような技術を支えているのがプログラミングスキルです。このように考えるとプログラミングは社会基盤になっているともいえるのです。

しかし、現在そういったスキルを持つ人材は不足しています。2016年度の調査では調査の日本国内におけるIT人材は91.9万人でした。そして2030年に必要とされるIT人材の数は78.9万人と予想されています。ほぼ倍の人材が不足しているわけです。これからを生きる子どもたちが将来仕事に就く際には、プログラミングスキルが必要となると言えます。物心ついた時からスマホやディジタル機器を操るディジタルネイティブと言われる子どもたちにとっては、「読み」「書き」そして「プログラミング」が身に着けておくべきスキルと言えるのではないでしょうか。

諸外国においても、同様にIT人材の不足が懸念され、その育成が行っています。高度なIT人材の育成が今後の国の先行きを左右するという考え方で取り組む国もあります。発展途上国と思われがちなアフリカルワンダ共和国では2018年段階で、小学校で1人1台のPCが配られており、PCを活用する子どもの姿が自国の紙幣に印刷されています。

諸外国の動きから遅れていますが、日本でも2020年度の教育指導要領改訂に伴い、2020年度から小学校でのプログラミング教育が必修化されました。続いて2021年度から中学校における技術科の授業においてプログラミングの学習が取り入れられるようになりました。2022年度からは高校では、「情報I」という教科が全ての高校生の必修科目となり、より高度なIT教育を行う「情報Ⅱ」が新設されました。2025年からは大学受験の科目として「情報」が追加されることが決まっています。

そのような中、岸和田においては「岸和田市政100周年記念事業」として「岸和田商工会議所主催ロボットプログラミングワークショップ&コンテスト」が実施されることになりました。250を超える応募の中から30組の親子が参加し、ロボットカーを動かすことを目的にプログラミングを学びます。

プログラミングを全く知らない子どもたちが、プログラミングを体験する。この体験をするかしないかの違いはとても大きいと私は考えています。体験し楽しさを知った子どもたちの中から、いつか日本を支える人が育ってくれることを夢見ています。何十年後かに社会を支える人材を育成するための素晴らしい取り組みが今、岸和田で行われています。

「プログラミングってな~に?」というテーマでお話しましたが、プログラミングは子どもたちの未来のために必要なスキルであるということをお伝えさせていただきました。

今回はこのようなお話の場をいただき感謝しております。ご清聴ありがとうございました。

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