前年度は、会長の時間があり卓話は当たってなかったのですが、ちょうど1年前の7月30日、ロータリー○×クイズ大会を開催しております。あっという間の1年間です。
今回の卓話内容、全ての始まりは、ある日、長さの単位について話が出てメートルに統一すればいいのに。。。と。
確かに、そういえば、メートル法だけじゃないなぁと考えていると、・・・様々な単位があります。基本となる単位では長さ(距離)の単位、メートル・フィート・ヤード・尺・町・海里
面積の単位、平方メートル・エーカー・坪体積の単位、立方メートル・ガロン・升質量の単位、グラム・ポンド・貫速さの単位、時速・マイル毎時・ノット温度の単位、摂氏・華氏
その他の単位
カラット(ct)質量1ct=200mg・アンペア(A)電流の単位・ボルト(V)電圧の単位・ケルビン(K)温度の単位・モル(mol)1 mol は,6.02214076×10 23 個の要素粒子を含む物質量この数値の単位、アボガドロ定数 NA ・カンデラ(cd)光度 由来:ろうそく1本の光度・度(°)・ニュートン(N)・パスカル(Pa)
標準大気圧
大気圧は標高などによって変わるので,平均海水面における平均気圧から標準大気圧が定められており,その大きさは 101325 Pa(=1013.25 hPa)です。
・ピーエイチ(pH)・ヘルツ(Hz)振動数の単位・デシベル(dB)音圧のレベルの単位・ビット(bit)・ビット毎時(bps)・カロリー(cal)・ジュール(J)・馬力(hp)
と、数ある単位が世の中にはあります。
専門的な単位も多く、ほとんど統一されている単位です。
日本において明治初期まで使われていたのが、尺貫法です。
尺(しゃく)は、尺貫法における長さの単位である。東アジアでひろく使用されている。ただし、その長さは時代や地域によって異なる。
尺貫法の長さの基本単位。一般に用いられるのは曲尺(かねじゃく)の1尺で,1891年度量衡法で1尺=10/33m(≒30.303cm)ときめられた。古代に周,高麗(こうらい)から伝来,701年大宝令で確定。中近世には曲尺,鯨尺(くじらじゃく),呉服尺(曲尺の1尺2寸),享保(きょうほう)尺(曲尺よりわずか長い),又四郎尺(曲尺よりわずか短い,大工用),折衷尺(伊能忠敬が享保尺と又四郎尺を平均して作ったもの,現在の曲尺の基)等さまざまな尺が使われた。1尺=1/10丈=1/6間=10寸=100分=1000厘=1万毛。
升(しょう)
織田信長から豊臣秀吉へという全国統一の流れの中で、納める年貢の量に直結する「升」を量るための枡を全国共通のものにする必要が生じた。織田信長は、当時使われていた十合升を公定して標準的取引升とした。元亀二年に「判枡」(発行者の花押を書いた枡)を利用する記述が初めて現れ、これ以降「十合枡」の記述が急減していくことから信長による升の公定が裏付けられる。天正14年10月、豊臣秀吉の代官中坊源五は、旧来奈良で使われていた升の使用を一切禁止し、新たな升の使用を義務づけた。この新たな枡は、京都を中心に使われていた升であったことから京枡(きょうます)と呼ばれた。後の新京枡と区別するために古京枡ともいう。古京枡は縦横5寸、深さ2寸5分で、62.5 立方寸、容積は 1.74 リットル、新京升の 0.964 倍であった。
1669年、江戸幕府は、江戸を中心に使われていた江戸枡(古京枡と同じ量)を廃止し、古京枡より少し大きい新京升の採用を命じた。新京升は縦横4寸9分、深さ2寸7分、約 1.8039 リットルであった。一説には、縦横が1分減り、深さが2分増えたのだから体積は変わらないと思わせて、実は体積が約 3.7 % 増えているという策略であるとも言われる。江戸幕府は江戸と京都に「枡座」を置いて枡の大きさを厳密に統制したので、江戸時代の約300年間大きさの統一が保たれた。
現在の米穀取引の実務における1俵は60 kgとされている。
かつて米の計量は枡を基準とし、体積で計量され流通したため、俵は体積を表す単位だった。文献で最初に記載されている俵についての記述は、平安時代のもので5斗で1俵とするという規定が残っている。この時代の斗量は現在とは異なり、現在の定説では、当時の1斗は現在の0.4斗である。したがって、当時の1俵は約30 kgである。戦国時代から江戸時代の1俵はおおむね2斗から5斗の間で時代・土地ごとに異なり、例えば幕府は1俵を3斗5升としたが、加賀藩の1俵は5斗であった。またそもそも俵自体にも、四斗俵や六斗俵などいろいろなサイズがあって、規格が一定していなかった。
俵が単位として統一されたのは明治時代である。ただし全国的な法規はなく、根拠法規は各県ほぼ共通する内容の「○○県米穀検査規則」という県令である。同規則の中で各県の検査機関が行う米穀検査に使う俵の容量は「4斗」と定められ、同時に俵の寸法や構造が標準化された。未検査の米は流通が禁じられていたので、以後は一俵 = 4斗が事実上の統一基準になった。1斗はメートル法換算で18.039リットルと法定されていたので、明治時代の一俵は72.156リットルである。米1斗の質量は約15 kgなので、1俵は約60 kgとなる。
かつては60 kgの米俵を担ぎあげて運ぶことができれば、一人前の労働者とみなされた(世界大百科事典)。1俵は労働者一人が担いで運ぶ量であり、2俵は馬一匹の積載量であったため、米の出荷・保管・輸送に便利であった。タイなど海外ではいまだに60キロ袋が米の流通に使用されているが、重労働に慣れない現代日本人には60 kgの米俵を扱うことは難しくなり、出荷流通の米袋は「半俵」の30kg入りの紙袋包装が普通となった。
匁は真珠の質量の単位として商取引上、国際的に使われているので、日本の計量法において、「真珠の質量の計量」にのみ使用することが認められている法定計量単位である。これは真珠が日本の特産品であったことによるものである。この場合の単位名は平仮名表記の「もんめ」であり、漢字表記の「匁」ではない。その単位記号は”mom”と定められている。「もんめ」は英語などでは”momme”と綴られている。なお、国際単位系においては、「もんめ」の単位は認められていない。
西洋諸国では、ヤードポンド法となります。
帝国単位と米国慣用単位は、両方とも初期のイギリス単位に由来する、相互に密接に関係している単位である。イギリス単位は、古代ローマの度量衡(英語版)やカロリング朝、サクソン人の単位にまで遡ることができる、西洋で古代から使われ変遷してきた単位の延長線上にあるものである。イギリス以外のヨーロッパ諸国でも、かつてはヤード・ポンド法と発祥を同じくする、それと似たような単位(ただし、名称は言語により異なる)を使用していた。それらの国は早いうちにメートル法へ完全移行したため、20世紀までには、ヤード・ポンド法およびそれに類する単位系を常用する国は、主要国ではイギリスとアメリカ合衆国を残すのみとなった。
フィートの長さは、ヘンリー1世(ノルマン朝12世紀イングランド王)の足の長さであるという俗説がある。ヘンリー1世の足の長さは12インチであったという。ヘンリー1世は、この長さをもってイングランドにおける長さの基準とした。元となったヘンリー1世の足の長さは裸足で測られたのではなく、靴か何かをはいた状態で測ったものである
ガロン
gallonは,ラテン語の galleta (ボウル,バケツの意)に由来する体積の単位です。
ヤードポンド法の体積の基準となる単位なのに,定義の値が3種類もあるというやっかいものです。
gal は,古くから体積の単位としていろいろな分野で使われていましたが,それぞれ大きさが異なっていました。
そこで1824年,イギリスは gal の定義を統一しました。その当時,大きく3つの gal の定義が使われていました。
一つ目は,穀物の体積に使われていた コーンガロン corn gallon です。
コーンガロン 4.404884122L
二つ目は,ワインの体積に使われていた ワインガロン wine gallon です。
ワインガロンは,直径 7 in,高さ 6 in の円柱の体積で定義されていました。
ワインガロン 3.785411784L
三つ目が,ビールの体積に使われていた エールガロン ale gallon です。
1824年当時,エールガロンは 282 in3 とされていました。
エールガロン 4.621152048L
エールガロンを 10 lb(ポンド)の水の体積(≒ 277.42 in3)として再定義したものに,すべての gal が統一されました。
その後,メートル法との互換性を重視して,1 gal は正確に 4.54609 L と定められました。
こうしてイギリスでは統一された gal でしたが,アメリカでは2つの gal が残ってしまいました。
ポンド
歴史的には、メソポタミア地方で大麦1粒の重さを元にグレーンが定められ、その倍量単位としてポンドが定められた。使用法としては、人間が1日に消費する食糧としての単位であり、1ポンドの製粉によって焼かれたパンが1日分の主食量に相当する。
古代ローマではこの単位を天秤の意味の「リブラ (libra)」と呼んでおり、これがポンドを表す記号“lb”の由来である。また、通貨の単位のポンドの略号“£”もlibraに由来する。「○○リブラの重さ」を“○○ libra pondus”と言い、このことから“pondus”がリブラの別名となった。
アメリカは,1875年の成立時からメートル条約(国際的にメートル法 ── 長さの単位にメートル m,質量の単位にキログラム kg を基準とした単位系 ── に統一しようという条約)に加盟していましたが,慣用的に使われている単位の使用を禁じなかったので,メートル法への移行が進みませんでした。
スポーツでは,ヤードポンド法が使われる場面がたくさんあります。
ゴルフの距離はヤード yd,メジャーリーグの球速はマイル毎時 mph,プロボクシングなどの体重にはポンド lb,バスケットボールのゴールの高さは10 フィート ft,ゴールの直径は18 インチ in となっています。
イギリスで何かを計る/測る/量るとき
速度:時速○○マイル
長い距離:マイル
短い距離:メートル、フィート、インチ
ジョギングの距離:キロメートル
温度:摂氏
人間の重さ:ストーン、ポンド
人間以外の重さ:キロ、グラム、トン
人間の身長:フィート&インチ
馬の体高:ハンド
ビールの体積:パイント
ミルク(牛乳)の体積:パイント
ミルク(ヴィーガン用):リットル
それ以外の体積:リットル
入り乱れております。ややこしいです。
似た物でも単位がころころ変わっていますが、徐々にメートル法へと切り替わる過程の苦しみなのでしょう。
アメリカ合衆国が、いまだにヤード・ポンド法を使用しているため、メートル法に移行した国の多くでもアメリカ合衆国の強い影響下にある分野(軍事・航空・コンピュータなど)に限定してヤード・ポンド法の使用を公式・非公式に認めざるを得なくなっている(特に航空の分野では、航空機の技術発展が著しかった1930~1950年代、アメリカ主導で航空交通管制や航法システムが国際的に構築されたことから、ヤード・ポンド法の使用がほぼデファクトスタンダードになっている)。また、それ以外の分野についてもヤード・ポンド法の単位が使用されていたり、メートル法であってもヤード・ポンド法の単位の整数倍の値が使われていたりする。
ここで、あることに気付きました!
1尺と1フィートが近似していることを
基本となる長さが似ているのに、そこから派生する単位が生活様式の違いから色々となる。不思議です、なかなか面白いです。
洋の東西を問わず人間が生活する上で、便利な長さが似てくるのでしょうか。
国際単位系では,4種の基本量である長さ,質量,時間,電流をそれぞれ
メートル(m)、キログラム(kg)、秒(s)、アンペア(A)とし,それに温度としてケルビン(K)、物質量モル(mol)、および光度カンデラ(cd)を加えたものを基本単位としています。
人類がそれぞれの生活圏の中で過ごしている時代にはさして必要が無かったが、大航海時代を経て地球規模の航海や交流網が発達すると、長さの単位がまちまちな状態では不都合が多くなった。これに最も熱心に取り組んだのは、既に地球測量の実績を持つフランスだったのです。
時間:秒(s)
江戸時代の日本では、不定時法と呼ばれる時刻制度を使っていました。 不定時法では、1日を昼と夜に分けてそれぞれを6等分にし、その一つの長さを1刻(いっとき)と呼んでいました。 時間の単位は刻のみで、現在のような、分や秒の単位はありませんでした。 そのため、時計の針は一つしかありませんでした。
明治に入り、鉄道が整備されてくると、時間が不定時法では都合が悪く24時間制を採用となりました。暦も太陽暦グレゴリオ暦となります。
温度:摂氏
英語では,セルシウス度を centigrade(百分度)と呼ぶこともありますが,℃ の C は,セルシウス(Celsius)に由来するため大文字で表します。
なお,気温を表現するときなどに「摂氏(せっし) 20 度」などということがありますが,この摂氏というのは,セルシウスの中国語表記「摂爾修斯」に由来するセルシウス度の呼び方です。
華氏
ファーレンハイトは最初、彼が測ることのできた最も低い室外の温度を0度、彼自身の体温を100度としようとしたと述べている。彼は1708年か1709年の冬の大変寒い日に、ダンツィヒ郊外の彼の自宅において「0度」を計測した(これは-17.8 °Cである)。後に同じ温度を氷・塩化アンモニウム・水を混ぜることで実験室環境で作り出している。当時使われていたレーマー温度目盛では、日常的に使われる温度にマイナスの値が出てきてしまっていて不便であったので、彼はこれを避けたかった。彼の体温(彼は37.8 °Cと計測したが、正確には37 °Cであった)を「100度」と固定した。この元の目盛を12等分し、さらに8等分して96度の目盛を作った。これにより水の氷点が32度、沸点が212度になりその間が正確に180度に区切られることになる。
1960年代まで、多くの英語圏の国で、カ氏度(およびカ氏温度)は気候・産業・医療における温度の基準となっていた。1960年代後半から1970年代にかけて、メートル法への切り換えの一環としてセルシウス度(およびセルシウス温度)の導入が政府によって行われた。しかし切り換えのための努力にもかかわらず、現在でも一部の英語圏の国では非科学分野での温度計測にカ氏度が使用されている。
カ氏度の支持者は、これはカ氏度が利用者にとって親しみやすいからだと主張している。地球上の居住可能地域の大部分で気温変化は0 °F (-17.8 °C) から100 °F (37.8 °C) の範囲に収まるのです。そう考えると納得してしまいます。
海里(かいり、浬、英: nautical mile)は、長さの計量単位であり、国際海里の場合、正確に 1852 m である。元々は、地球上の緯度1分(1度の60分の1)に相当する長さなので、海面上の長さや航海・航空距離などを表すのに便利であるために使われている。
10000km÷90÷60=1.85185km=1852m
ノット (knot 記号: kn, kt)は、速さの単位であり、1ノットは1時間に1海里 (1852 m) 進む速さである。
ノットという言葉は英語で「結び目」を意味する。
大航海時代、船の緯度を知るには時計と太陽の高度を、経度を知るためには速度を計測する必要があった。当初、船の船首から丸太(log)を投げ込み、船尾までの時間を砂時計で計り、記録したが船によってマチマチで経験豊富な航海長が必要であったし、夜や嵐の中では計測不能と言う欠点があった。そこで、ロープの先端に丸太や板をしばり、ロープに一定の間隔で結び目を作り、丸太や板を海に投げ込んでから一定時間の間に結び目がいくつ手の中を通過するかをカウントして記録するようになった。結び目は「ノット」(knot)なので、この語が速度の語源になった。
船や飛行機は、緯度・経度を基準に移動するわけで、航海図上もっとも計算し易いのが
距離は海里で、速度はノットとなります。
様々な単位の成り立ち等を話しましたが、1つでもなるほど!と思って頂けたでしょうか!?