2019年末に中国で発生しました新型コロナウイルスの世界的な感染流行は、ロータリーにも多大な影響を与えました。2021年2月にアメリカのオーランドで開催が予定されておりました国際協議会は、初めてオンラインによるバーチャル開催となりました。RIからは、2021年6月末までは、バーチャルでの対応を基本にするように指針が出されまして、「地区チーム研修」「PETS会長エレクト研修セミナー」「地区研修協議会」は、YouTube によるライブ配信や冊子の配布による代替えとなりました。
また、青少年交換プログラムについても、2022年6月末までの一時休止となり、その他プログラムにおいても例年とは違い、開催の取り止めや、オンラインでの対応となっております。
今後、ワクチン接種の普及によって、新型コロナウイルスの感染が終息することを願いたいのですが、変異株の感染流行などもあって、予断を許さないように思われます。
ロータリーの例会、奉仕、親睦においても安全・安心が第一です。しかしながら、休会続きであれば、会員さん達の心は自然とロータリーから離れていってしまいます。オンライン等を上手に使いながら、新しいスタイルを確立してみてください。
私は、本年度の地区スローガンを「広げようロータリーの光を!」としました。伝教大師・最澄の言葉に「一隅を照らすこれ即ち国宝なり」があります。ロータリアン一人一人は、その職業において、奉仕活動において、青少年の健全な育成において、世の中を明るく照らす光であると考えます。そして、世の中をよりよくするために、志を同じくする人を増やして、光の輪を広げていきたいと考えます。なお、元松原中ロータリークラブの泉本信彦会員が作詞・作曲した「奉仕の光」をテーマソングにさせて頂きました。ロータリーソングの一つとして長く歌い継がれることを望みます。
RI会長のシェカール・メータ氏は、本年度テーマを「奉仕しよう みんなの人生を豊かにするために」(Serve to Change Lives)とされました。奉仕するとき、誰かの人生だけでなく、自分の人生も豊かになります。アルバート・アインシュタイン博士が言ったように、「誰かのために生きてこそ、人生には価値がある」のです。また、メータ会長は「もっと行動し、もっと成長する」とも言われております。「もっと行動し」とは、より大きく、インパクトをもたらす奉仕プロジェクトを意味します。「もっと成長する」とは、会員を増やし、参加者基盤を広げることを意味します。
過去17年以上、ロータリーの会員数は120万人のまま横ばいとなっています。メータ会長は、2022年7月1日までに会員数を130万人に増やすことを目標としています。第2640地区は、かつては3,000名を超える会員数がありましたが、現在は1,700名まで減少しています。メータ会長が言われるように奉仕の原動力は、我々ロータリアン一人一人であり、会員数を増やすことで世の中を良くしていく力を付けていくことになります。地区ビジョンの中にも明記させて頂きましたが、まずは地区の会員数を早期に1800名まで回復させることを目指します。
ロータリーのDEI声明が(多様性、公平さ、インクリュージョン=包摂)RI からありました。このうちの多様性は、ロータリーの中核的価値観の1つであります。メータ会長は、女子のエンパワーメントに焦点を当てています。世界各地で女子は多くの問題に直面をしており、彼女たちの抱える問題にロータリーが取り組むことを求められております。第2640地区では、女子の問題に取り組む以前の問題として女性会員の割合が7.7%と少ないです。1989年から女性会員の入会が認められ、世界では女性会員の割合が23%になっています。
2022-2023年度には、ロータリー115年の歴史で初めての女性RI会長ジェニファージョーンズ会長が誕生します。藤井年度に女性ゼロクラブゼロを掲げられましたが、未だ達成できていません。本年度も女性ゼロクラブゼロを目指すとともに、若い人や外国から来日された人等、多様なバックグラウンドがある会員の増強に努めていきます。
シェカール・メータRI会長は、広く一般の市民も参加できる、ロータリー奉仕デーの実施を呼び掛けています。従来のロータリーは、公共イメージの向上に力を入れてこなかったので、世間一般での知名度は高くないです。クラブ単位で、分区単位で一般の市民の方が参加できるロータリー奉仕デーの企画・実行を行い、ロータリーの公共イメージの向上に努めて下さい。地区としても10月24日の世界ポリオデーにて、ロータリー奉仕デーの開催を検討したいと思います。
ロータリー財団と米山記念奨学会への寄付のお願いをさせて頂きます。ロータリー財団は、1917年に6 代目RI 会長アーチクランフの「世界でよいことをしよう」との呼びかけで、最初の寄付26ドル50セントから始まり、現在では10億ドルを超える財団になっています。継続的に奉仕を行うためには、安定した資金が必要です。1979年にフィリピンで児童への経口ポリオワクチンの投与が行われ、1985年にポリオプラスキャンペーンが始まり、世界からポリオを根絶するために財団への寄付が活用されました。昨年アフリカでのポリオ野生株の根絶がWHOで確認されました。あと残すは、アフガニスタンとパキスタンの2か国だけです。引き続き、ポリオプラスも含めて財団へのご寄付をお願いします。寄付目標は、年次寄付一人当たり180ドル、ポリオプラス寄付30ドルでお願いします。
日本に初めてのロータリークラブ、東京ロータリークラブを設立した、米山梅吉翁の遺徳を記念する事業として1952年に東京ロータリークラブは、日本で学ぶ外国人留学生を支援する国際奨学事業を始めました。これが今日のロータリー米山記念奨学会事業の始まりです。米山奨学生は、日本と母国の架け橋となる人材を選考していまして、この50年間に累計で2万人、出身国は120を超える国と地域になります。寄付目標は、米山普通寄付を一人当たり6,000円、米山特別寄付を一人当たり10,000円とさせて頂きました。
日本国内34地区は、ロータリー財団への寄付と米山奨学会への寄付ゼロクラブゼロを目指しております。奉仕の原資として寄付をすることは当然のことなのですが、34地区で足並みを揃えるためにも、ゼロクラブゼロを目指していきたいと思います。どうぞ、上半期のうちに些少でもご寄付して頂くことをお願い申し上げます。
私はロータリーの最大の奉仕は、人創りだと思います。米山奨学生やローターアクター、インターアクター、青少年交換学生、RYLA 研修生の育成を通じて、世界でよいことを実践する人材を輩出することが使命だと思います。一方我々は、次世代のロータリアンの育成に尽力する必要があります。第2640地区では、RLI(Rotary Leadership Institute)を開催します。RLI は、国際ロータリー公認のプログラムではありませんが、国際協議会でも導入されているファッシリテーター方式によりロータリーを理解するプログラムです。けして、単なる会議の進め方ではありません。RLI のプログラムの中には、DL(Discussion Leader)の存在が重要であり、第2640地区ではDLの育成に重点をおきます。各クラブにおいて、将来を担う人材をDL研修に出して頂くことをお願いいたします。
第2640地区では、戦略委員会にて地区の中期ビジョン、アクションプランなど直前ガバナーを委員長とし、パストガバナー、ガバナー、ガバナーエレクト、ガバナーノミニーと共に検討しています。各クラブにおいても、どんなクラブにしたいのか、どんなクラブであるべきなのか、どんなクラブを目指すのか、クラブの柔軟性、継続性において検討をお願いします。クラブの将来ビジョンに基づいて、実行するべきことを考えて行きましょう。
ロータリーの生みの親である、ポールハリスは、生まれはウィスコンシン州ですが、子供時代から青年期を東海岸のバーモント州で過ごしました。最初に入学した大学はバーリントン市にあるバーモント大学です。私もポールハリスの100年後、同じバーリントン市で学生時代を送りました。丁度、民主党から大統領選に出馬したバーニーサンダースがバーリントン市長だった時代で、全米で一番暮しやすい市に選ばれた頃です。バーモントは、本当にのんびりとした田舎で、人の数より牛の数の方が多いと言われています。そんなバーモントの田舎から、マフィアのアルカポネが暗躍する大都会シカゴで弁護士事務所を開設したポールハリスは、殺伐としたシカゴで本当に信頼できる友人を得るためにロータリークラブを設立しました。ポールハリスは、ロータリーの例会に出席すると「童心に還る」と言われております。ですから、ロータリーの原点は、信頼できる友人と出会える場なのだと思います。もう一度、地区スローガンに戻りますが、「広げようロータリーの光を!」、ぜひロータリーの友愛の光を広げて、志を同じくする仲間を増やしていきましょう!