会長 上林史和
みなさんこんにちは、本日もご出席ありがとうございます。
本日RIより連絡がありまして、本年6月に台北で予定されておりました国際大会は、現地での開催を中止し、昨年度同様バーチャル行事として開催するということです。なおすでに登録されている会員は自動的にキャンセル、返金が行われるということです。バーチャル国際大会については詳細がわかりましたらまたお伝えいたします。
国や大阪府などの自治体が実用化を目指す「空飛ぶクルマ」。2025年の万博では会場アクセスに「空飛ぶクルマ」の活用を考えているようです。現在国内外の各メーカーでは開発が進み有人試験飛行も始まっています。
空飛ぶクルマは、(1)電動+(2)垂直離着陸型+(3)無操縦者航空機、などによる身近で手軽な空の移動手段とされています。代表例は「eVTOL」=イーブイトール(electric Vertical Take-Off and Landing)と呼ばれる電動垂直離発着機です。ドローン技術の進化型とも言えると思います。
大阪府は空飛ぶクルマ実用化について産官学で協議する「空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブル」を設立し、民間企業によるビジネスの実現を模索しています。機体開発の現状や離発着場、飛行ルートなどビジネスモデルの確立につながる協議を行い、本年度中に事業化に向けたロードマップを策定、その後2023年には民間企業による事業開始、2025年の万博では空飛ぶクルマで会場にアクセスできる環境を整える、という計画です。
国は「空の移動革命に向けた官民協議会」を設置。機体の安全基準、運行時の安全基準などについて協議し、2023年の事業スタート、2030年代の実用化拡大という目標です。
機材はどうでしょう。米国ベル・ヘリコプター、欧州エアバス、中国のイーハンなど、ベンチャー企業、航空機メーカー、自動車メーカーなど200社とも言われる開発競争が行われています。日本国内ではベンチャー企業のSkyDriveが公開飛行試験を実施。完成予定の機体では、故障してもすぐに落下せずゆっくりと安全に降下できる仕組みを搭載する考えだそうです。トヨタ自動車はアメリカのベンチャー企業ジョビー・アビエーションに多額を出資し、早期量産化を目指すとのニュースが出ておりました。
実現に向けては、「安全性の確保」=国の安全基準の策定とそれを満たす機体の開発。「インフラ整備」=離発着場や管制設備など運行に必要な設備の整備を誰が担うのか。「市場性」の3つが必要。また乗客を乗せての輸送には課題が山積みです。都市上空を飛ぶようなビジネスをすぐに実現するのは難しいかもしれませんが、大阪万博については関西国際空港、神戸空港、万博会場の夢洲(ゆめしま)はすべて海に面していますので比較的早期に現実となるかもしれません。
来週以降の例会につきましては、本日開催される理事会にて協議の上、すみやかにご連絡させていただきますのでよろしくお願いします。