ホストクラブ 岸和田RC 高松正剛会長
新型コロナウイルスの感染・拡大が止まらない中、3RC合同例会にご参集いただきありがとうございます。
このような社会情勢の下で本日の例会を実行するかどうか当番RC会長として、そして医者として迷いましたが、体調が悪い方はご参加を遠慮していただき、ご出席の方々にはこのウイルスについて内科医として知り得た情報を会長の時間で披露すれば許されるだろうと考え、開催を決意しました。このウイルス感染を疑う場合の条件や方針が先日国から提示されましたが、実臨床医の感覚からは通常の呼吸器感染と大きな違いはなくあまり参考になりません。それどころかこの感染を疑えば、患者搬送には救急車を要請せよとのことでは救急車は他の疾患でも必要であり社会全体からはかえって危険です。このウイルスは、感染力が強い、症状は通常の風邪や肺炎と変わらない、検査法はあるが日本では一般的ではない、決定的な抗菌剤はない、自然治癒が望めるが一部重症化し不幸な例もある、等々が特徴です。我々はマスク、手洗いなどに注意して予防生活を送り、重症者は集中治療を受け、医療の発達を期待して嵐が過ぎ去るのを待つしかないと思います。
*WHO(世界保健機関)西太平洋地域事務局で感染症地域アドバイザーとして従事した経験を持つ、東北大学医学系研究科微生物学分野教授の押谷仁氏のメッセージを例会で披露しましたが、その最後の部分をここに再掲します。
「もはやこのウイルスは中国の国内問題ではなく、世界全体の脅威である。WHOがリーダーシップをとり、中国を重要なパートナーとして取り込んで国際社会が協力して対応していくことが求められている。中国を孤立させるべきではない。今、中国やWHOの対応を批判することは、目の前のウイルスとの戦いに何の利益ももたらさない。
国内で感染拡大が起こると、国内に滞在する外国人でも流行が起こる可能性がある。インバウンド需要や外国人労働者は単にお金や労働力がやってくるわけではない。やってくるのは人であり、この人達にできるだけのサポートをすることも求められている。今後、アジアやアフリカの医療体制の脆弱な国々にこのウイルスが広がっていくとより大きな被害が起こる可能性もある。これらの国々をどう支援するのかという視点も必要である。
東京オリンピック・パラリンピックへの影響を心配する前に、このグローバルな危機に際し、日本がどんな役割を果たせるのかを考えるべきである。それができないような国にオリンピックやパラリンピックを開催する資格はないと私は考えている。」
*追記
2020年2月24日現在の情報;確定検査が日本でも一般医療機関で可能となりそうです。抗菌剤も日本で備蓄のインフルエンザ用剤や抗HIV薬が使えそうです。