第2088回岸和田3RC合同例会報告[2020年2月19日(水)]

会長の時間

 ホストクラブ 岸和田RC 高松正剛会長

新型コロナウイルスの感染・拡大が止まらない中、3RC合同例会にご参集いただきありがとうございます。

このような社会情勢の下で本日の例会を実行するかどうか当番RC会長として、そして医者として迷いましたが、体調が悪い方はご参加を遠慮していただき、ご出席の方々にはこのウイルスについて内科医として知り得た情報を会長の時間で披露すれば許されるだろうと考え、開催を決意しました。このウイルス感染を疑う場合の条件や方針が先日国から提示されましたが、実臨床医の感覚からは通常の呼吸器感染と大きな違いはなくあまり参考になりません。それどころかこの感染を疑えば、患者搬送には救急車を要請せよとのことでは救急車は他の疾患でも必要であり社会全体からはかえって危険です。このウイルスは、感染力が強い、症状は通常の風邪や肺炎と変わらない、検査法はあるが日本では一般的ではない、決定的な抗菌剤はない、自然治癒が望めるが一部重症化し不幸な例もある、等々が特徴です。我々はマスク、手洗いなどに注意して予防生活を送り、重症者は集中治療を受け、医療の発達を期待して嵐が過ぎ去るのを待つしかないと思います。

*WHO(世界保健機関)西太平洋地域事務局で感染症地域アドバイザーとして従事した経験を持つ、東北大学医学系研究科微生物学分野教授の押谷仁氏のメッセージを例会で披露しましたが、その最後の部分をここに再掲します。

もはやこのウイルスは中国の国内問題ではなく、世界全体の脅威である。WHOがリーダーシップをとり、中国を重要なパートナーとして取り込んで国際社会が協力して対応していくことが求められている。中国を孤立させるべきではない。今、中国やWHOの対応を批判することは、目の前のウイルスとの戦いに何の利益ももたらさない。

国内で感染拡大が起こると、国内に滞在する外国人でも流行が起こる可能性がある。インバウンド需要や外国人労働者は単にお金や労働力がやってくるわけではない。やってくるのは人であり、この人達にできるだけのサポートをすることも求められている。今後、アジアやアフリカの医療体制の脆弱な国々にこのウイルスが広がっていくとより大きな被害が起こる可能性もある。これらの国々をどう支援するのかという視点も必要である。

東京オリンピック・パラリンピックへの影響を心配する前に、このグローバルな危機に際し、日本がどんな役割を果たせるのかを考えるべきである。それができないような国にオリンピックやパラリンピックを開催する資格はないと私は考えている。

 

*追記

2020年2月24日現在の情報;確定検査が日本でも一般医療機関で可能となりそうです。抗菌剤も日本で備蓄のインフルエンザ用剤や抗HIV薬が使えそうです。

卓話

「食べる幸せ」

フードコラムニスト 門上武司様

フードコラムニスト 門上武司様

私は1952年大阪生まれです。学生時代からイベントプロデューサーとして様々な行事や催し物に携わってきました。そのかたわら、幼少期に目覚めた食い意地を発揮し、中学時代の同級生で北新地の料亭の息子とともにジャンルを問わず数々の暖簾をくぐり続けていました。そのおかげで東京のメディア関係の人たちに関西の食事処を紹介することが多くなり、39歳で株式会社「ジオード」を設立し「食」を中心として活動しています。「あまから手帖」の編集顧問や様々な番組のブレーンとして仕事をしていると同時に、多くの食イベントのプロデュースなどを手掛けています。

さて人間も動物も生命を維持するためには食べなくてはいけません。しかし人間は食事に際してどんな味なのかをまず感じ、どんな食器で、さらにはどんな服装、どんな場面で、など単なる食糧ではなくもっと広い「文化」として「食」を愉しむことができるのです。しかし日本ではこれまで、文化芸術保護法に「食文化」の項目はなく、ユネスコから和食を世界無形文化遺産として登録するときに指導があり、一般社団法人全日本・食学会を組織化。副理事長を務め、ようやく一昨年、日本でも「食」は「文化」として認められるようになりました。そして昨年京料理「菊乃井」の村田吉弘さんが文化功労章を受けることになりました。

文化は人間が創るものですが、「人間」の字は人と人との間(アイダ、マ)と書き、間とは関係性であり、時間・空間・行間と間がだいじであり重要です。他人(ヒト)とテーブルを囲んで食べたり飲んだりしている・・・食を通じて人と人がつながることが人間の特権であり文化であると申しあげておきます。最後にツナガリとマを大切にしている最近評判の料理店をご紹介します。

 

小松市 SHÓKUDŌ YArn     イタリア~スペイン~日本

静岡市 板前てんぷら成生(なるせ)

京都 祇園 大渡     日本食

西天満 月泉     中国料理

西天満 十六     日本食

京都 洋食おがた     洋食

トピック

 閉会挨拶 岸和田東RC 岡本平仁副会長

卓話講師をしてくださった門上武司様、卓話「食べる幸せ」「食は文化である」とても共感しました。いつまでも元気で、健康と共に美味しい「食べ物」・「文化」を探したいと思います。有り難うございました。

 本日は、岸和田3RC合同例会を開催して頂きホストクラブであります岸和田RC様大変お世話になりました。厚く御礼申し上げます。

 なお次年度は、岸和田東RCがホストを務めさせて頂きます。次年度3RC合同例会を、2021年2月19日(金)グランドホールでの開催を予定しておりますので、皆様ご出席頂きますよう宜しくお願い致します。