山本新一郎 会長
老衰死とは?
ウィキペディアによりますと、老衰死の認定については次のように記載されています。
「加齢による老化に伴って個体を形成する細胞や組織の能力が低下し、多臓器不全により恒常性の維持・生命活動の維持ができなくなり死亡したと判断された場合は、死亡診断書に直接的死亡原因として老衰と記載される。
加齢による老化に伴って個体を形成する細胞や組織の能力が低下している場合でも心不全や心筋梗塞、脳卒中、肺炎など何らかの疾患による死亡と診断される場合、死亡診断書には前記の疾患を直接的死亡原因として記載する。 」
ですから、戦後診断技術の進歩とともにこの老衰死の割合も徐々に低下傾向を示してきました。けれどもここ10年余りの間にこの老衰死という死亡診断名が急速に増えてきました。 私は医者ではないのでここから先は私の推察ですが・・・。
近年、ACP(Advanced Care Planning)ということがよく言われてきました。日本語では「意思決定支援」、とか最近は「人生会議」とかいう言葉に訳されていますが、要は人生の週末においてはその人らしい最期を迎えさせてあげよう、というような考え方が浸透してきて、「本人のためにならないような無駄な検査はやめよう」ということで、敢えて細かな検査をしなくなってきたためにこのように「老衰死」という診断名が増えてきたというように解釈する専門家もいます。私は、案外この考えが的を得ているように思っています。また、このようにするのがいいのではないかとも思っています。ただし見方によれば、このような行為は医師の怠慢という見方もできないでもありませんので、場合によっては批判されるかもしれません。皆さんはどのように思われますか?