山本新一郎 会長
「日本の管理職 短命?」の新聞記事から思うこと・・・
この記事は、今年の6月14日に日本経済新聞の日刊に掲載されたものですが、東京大学公衆衛生学分野の教授らが中心となって5月29日の専門誌に発表された資料に基づいています。資料は、日本と韓国および欧州の8か国(フィンランド、デンマーク、イングランド/ウェールズ、フランス、スイス、イタリア(トリノ)、エストニア、リトアニア)の過去25年間の変化について行った国際共同研究の結果をまとめたものです。これによりますと、欧米では一般に管理職・専門職の死亡率が低いのに対して、我が国では1990年代後半、バブル崩壊後の「失われた20年」の初期のころから、韓国では2000年代後半のリーマンショックに端を発した世界金融危機の時期と一致して、それまで最も死亡率の低かった管理職・専門職の死亡率が逆転して高くなっているという結果が示されています。今回の結果は資料整理の都合で中小自営業者の方は含まれていないのですが、中小自営業者の方もおそらくこの管理職・専門職に準ずる結果になるものと思われます。このように顕著に社会情勢が死亡率に影響を受けるということはちょっとした驚きです。自殺も含まれるので理解できないこともないのですが、割合から考えてそればかりが原因とは言えないようです。いずれにしても我が国では、やはり管理職・専門職の方にとっては社会情勢を良く把握し、特に精神的にも無理をしないように自らの体調管理を行っていく必要があるのではないかと思います。社会的に要職に就かれている方が多いロータリアンに対する1つの警鐘としてこの記事を参考にしていただければと思います。