第2040回例会報告[2019年1月25日(金)]

会長の時間

辻林一郎 会長

インフルエンザの大流行が続いていますので、その感染予防対策を実践してください。

 

本日は、岸和田市長 永野耕平様、卓話の講師としてようこそお越しくださいました。

 

本日の報告です。

国際ロータリー研修・開発担当部から新しくなったロータリーの「ラーニングセンター」にクラブ役員向けコースが用意された旨の案内がありました。是非、My ROTARYにて学習してください。

 

さて、本日は、「所有者不明土地問題」についてお話をさせていただきます。

「所有者不明土地」とは、相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法により探索を行ってもなおその所有者の全部又は一部を確知することができない一筆の土地をいいます。

平成30年11月15日、法務省及び国土交通省が所管する「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」の一部が施行され、一定の対策が講じられています。しかし、所有者不明の土地は増殖を続けています。

その原因には、相続登記を代々放置したため、相続人の数が増え相続人の一部の行方が分からなくなり、全員の合意が得られない場合や土地の価値より相続手続きに費用がかかるなどを理由に、相続登記を放置させてしまうことにあります。

所有者が分からないまま放置されている土地は、2016年時点で、九州の面積よりも広い約410万ヘクタールに上っているそうです。

 

法務省によると、所有者不明土地の中で、「変則型登記」は約5%を占めると推計され、残りは、住所変更や相続登記がされていないケースが大半とのことです。

「変則型登記」とは、所有権の登記のない土地のうち、登記記録上所有者の全部又は一部を確認することができないものをいいます。具体的には、「甲外○名」、「大字○○」、「住所が記載されていない氏名のみの土地」、「表題部所有者欄が空白の土地」などです。

そのため、法務省は1月11日、土地の所有者が特定できない場合でも、裁判所の手続きを経れば売却できる制度の創設を柱とした新たな法案を公表しました。現在、パブリックコメント(1月31日まで意見公募)が行われていますが、関連法案を通常国会に提出することになっています。全国で増えている所有者不明土地に歯止めをかけ、塩漬け状態の土地の活用につなげる狙いがあります。

法案骨子案によれば、氏名や住所が正しく登記されていない所有者不明の「変則型登記」の土地について、法務局の登記官に調査権を与えた上で、なお所有者が分からない場合は、「管理者」が売却などできる制度となります。管理者には、裁判所が選任した弁護士や司法書士らを予定しています。登記官だけでは調査が難しい場合には、土地家屋調査士などの専門知識や経験のある人を「所有者等探索委員(仮称)」に任命し、調査権限を与える制度も創設されます。

管理者が売却するのは、自治体が公共事業用地として使用したり、民間企業が土地を開発したりする場合を想定しています。管理者が土地を売却処分後、代金は法務局に供託され、後に所有者が判明した場合は、法務局から代金を渡す仕組みとなっています。

 

卓話

「岸和田市政について」

岸和田市長 永野耕平様<br />
(担当:坂本道子会員)

岸和田市長 永野耕平様
(担当:坂本道子会員)

1行財政改革

2中核市議論の再開

3広域連携による行政の効率化

4市政の透明性の確保

5子育てと福祉

6教育・文化

7泉州山手線の早期実現に向けての取り組み強化

8岸和田市の成長戦略

最後に身を切る改革

 

これらを重点施策とし市政を担わせていただくことになり一年が経とうとしています。この間皆様には多大なお力添えをいただきながら、市役所の職員と力を合わせ行財政改革に努めてまいりました。着任後すぐに私自身の給与を30%カットするとともに全職員の給与カットを行い、市政全般の「お金の使い方」の総点検に入りました。今年度末には「行財政再建プラン」をつくりあげ、これを実行すれば岸和田が確実に立ち直ります。人事院勧告により大阪府下全域の役所の給与が上がる中、岸和田市においては四月からはさらに私の給与を35パーセントカットに深堀り、かつ職員の給与の人事院勧告アップ分の見送り、加えてさらなる給与カット、という強烈な「身を切る改革」を予定しています。給与カットなど本来すべきではないと考えておりますが、市財政が緊迫している中、全職員が状況を理解し改革に取り組みますので応援のほどよろしくお願いします。

さて、2018年の市政を振り返りますと上に掲げた重点施策について着実に進めることができました。そして、ほとんどの議会への提案は可決されました。否決されたものは二つ。一つは「中核市移行」、もう一つは「機構改革」です。

「中核市移行」については6月議会で否決され、財政的な見通しを示しながら9月に再提案させていただきましたが、否決されました。これにより特例による「中核市移行」は不可能になりました。「機構改革」については役所の内部の組織の在り方についてのことですので市役所の部長課長などこれまで役所組織の中で実際に務めてきた方々の考えで原案を作成しました。議会ではほとんど議論されずに否決されましたので、いったいどのような理由で反対されたのが未だに不明です。

議会制民主主義ですので私の提案が否決されることも民意の反映であり、反対した議員が将来にわたりその判断に責任を負っていくことになるわけですので議会が健全に機能していると考えます。

しかしながら中核市移行については今後も前向きに進めます。特例による移行のチャンスを逃し、かなり難しいですが人口20万人を達成すれば特例がなくとも中核市に移行することが可能です。中核市移行は岸和田に大きなチャンスをもたらします。もちろん人口推計通りの「15万人の普通市」を目指すこともよいと思います。しかし、「20万人の中核市」になり、企業が集積し様々な官庁が集積し観光客も多く来訪し特急がとまり飲食店も繁盛するような、泉州地域の核となる岸和田を市民の皆様も望んでいるのではないかと考えるからです。中核市移行のリスクはほとんどありません。全力で取り組んでいきます。

岸和田は、海あり、山あり、そして人良しと…優れたポテンシャルを持つまちです。必ずや財政危機を乗り越え、誇りを取り戻し、世界一のまち「岸和田」になれます。本気の改革を、未来を生きる子ども達の為にも市民の皆様と共に実践してまいります。

 

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