辻林一郎会長
暑い日が続いておりますが、お体に気をつけてください。
タイ北部の洞窟に閉じ込められたサッカーチームの少年らの救出ニュースから1か月過ぎました。全員無事救出され、多くの方が安堵されたのではないでしょうか。世界各国のダイバー約90名が集結しての捜索・救出活動でした。今回の救助活動に日本も一役買っていたのです。ご存知でしょうか。
独立行政法人国際協力機構(JICA)は、「タイ洞窟・救助活動に際してのJICAの取り組みについて」という見出しで報告されています。
前段部分を紹介させていただきます。
「タイ北部チェンライ県・タムルアン洞窟に閉じ込められた地元サッカーチームの少年12名とコーチ1名が無事救出された件に関し、大変喜ばしく、救出に尽力されたタイ政府関係者に心から敬意を表するとともに、救助隊員1名が亡くなられたことに心よりお悔やみを申し上げます。
弊機構では、事案発生後、排水及び土木の専門家2名他を現地に派遣し、タイ政府関係者に効率的な排水方法を助言したほか、宇宙航空開発研究機構(JAXA)等の協力を得て、衛星画像を活用した精緻な地形図を作成し、救助用坑道や雨水流入口の探査等に活用できるようタイ政府に提供してきました。このほか、2014年にタイ政府に無償供与したポンプ車2台も現地に派遣され、排水に活用されました。・・・・・」
また、国立研究開発法人宇宙航空開発研究機構(JAXA)からは、「タイ洞窟・救助活動に際しての衛星画像の提供について」という見出しで、7月23日付けで報告されています。
要約して紹介させていただきます。
「JAXAは、独立行政法人国際協力機構(JICA)を通じて、タイ政府に陸域観測技術衛星2号「だいち2号」の画像を提供しました。この衛星画像は、精緻な地形図を作成し、救助用坑道や雨水流入口の探査等に貢献することを目的としたものです。・・・・・」
今回活躍した「だいち2号」(ALOS-2)は、地図作成・地域観測・災害状況把握・資源探索の分野で利用されている「地球を高度628kmから見る人工衛星」と言われています。
日本の技術力と両機構間のスムーズな連携が、全員無事救出の一助となったことは確かであり、派手さはなくてもこれが日本の持ち味だと思い、同時に誇らしくもなりました。