岸和田東ロータリークラブ 国際ロータリークラブ第2640地区
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第1877回例会 6月 5日(金)

『 トピック 』

6月度 会員誕生日



岸和田南ロータリークラブ 2014〜2015年度活動報告
 タイ王国WCS事業 ウォータープロジェクト


岸和田南RC 会長 大谷孝利 様



9年継続している活動です。
「タイの子どもたちにきれいな水を」
今後もご協賛よろしくお願いいたします。




卓 話

「人はどこで亡くなっているのか
 〜岸和田市での調査から死亡場所「自宅」について考える」


岸和田市医師会
在宅医療連携拠点推進事業運営委員会
医療法人出水クリニック
       出 水   明 様


       (担当:山本新一郎会員)

日本人の死亡の場所は諸外国に比べると病院での死亡が突出して多い。しかし高齢多死社会となり国のほ方針でも「ほぼ在宅、時々入院」という考え方が示されている。最近は徐々に人口動態統計で在宅死(死亡の場所が自宅となっているケース)が以前より増加している。最後まで自宅で過ごすことを望む人の増加や、在宅医療・介護のシステムの充実が反映されていると考えたいが、現実はそうでは無いようである。
最近、自宅死の割合が高いのは、同居家族の多い農村部では無く、東京、大阪、神奈川などの大都市部である。それは、独居者・独居高齢者の増加により誰にも看取られない孤独死、さらには社会的孤立もあって発見が遅れるような孤立死が増加しているからである。
岸和田市でも岸和田市医師会を中心に三師会(医師会、歯科医師会、薬剤師会)、地域包括支援センターなどの介護関係者、市役所、保健所なその多職種が連携して、在宅医療介護連携拠点会議を開催し、在宅医療推進、地域包括ケア推進のために様々な事業に取り組んで来ている。この中で、岸和田市の自宅死亡の実態を明らかにし、今後の対策を考えていく上での基礎データ調査に取り組んだ。
死亡診断書・検案書は重要な個人情報であるため、簡単に調査をすることができない。このため岸和田保健所に依頼して厚生労働省から許可を取り平成24年1年間の岸和田市の全死亡小票(しぼうこひょう=市役所の窓口で提出された死亡書類を人口動態統計調査のため厚生労働省に送る電子化のための入力票)を調査していただいた。この結果岸和田市でも全自宅死亡326人のうち、通常の看取りは44%にとどまり、残り56%は警察が関与した検案死であることがわかった。
こうした数字は地域の基礎データとしてどこの地域でも簡単に手に入るべきであると考えられるが、実際にこうした調査が出来ている地域は日本中で極めて限られている。その大きな理由が、市役所窓口に書類が提出されたときに、その書類が死亡診断書(通常の看取り)か死体検案書(警察が関与した死)かという重要な属性が死亡小票に入力されていないという現実がある。これはその属性の管理は法務省の管轄で、厚生労働省にはその情報は行かないためである。このため人口動態統計ではこうした数字が明らかにされていないのである。これからの独居者の増加する高齢多死社会での様々な対策を考える上で、重要なこの属性は、速やかに国レベルで法務省や厚生労働省の連携によってデータ化すべきだと考えられる。
自宅での通常の病死に警察が関与することは本来不要なことがほとんどである。そのためには予測されうる死亡に対する医療・介護・地域社会の関与が今後重要であると考えられる。