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『 トピック 』 |
ロータリー財団寄付金
マルチプル・ポール・ハリス・フェローピン(5)
西 野 公 朗 会員
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『 卓 話 』 |
「ロータリーの原点」
中 井 義 尚 会員
私も入会して39年、新しく入会された会員もあり、今一度ロータリーを見つめ直そうという気持ちで、ロータリーの成り立ちから現在までのロータリー発展の基礎となることを話します。
前半は、ポール・ハリスがロータリーの構想を作り上げるまでの、バーモント州ウォリングフォードで育った環境の中で育んだロータリーの発想への過程が話の中心です。ロータリーの目的は、社会的・宗教的・人種的区分による混合団体ではなく、社会的地位、宗教や信条や国籍が異なる実業家や、専門職業に従事している人を集め、相互信頼を深め、その結果思いやりと友情が深まり助け合いをすることとしてポールが創り上げました。
初期のロータリーは相互扶助すなわち互恵取引が中心でしたが、それだけでは発展に限界を感じ、社会的な奉仕活動が加えられました。
シカゴで成立したロータリーは、数年後にサンフランシスコRCが生まれ、その後は全米に拡大し、やがてカナダに拡がったあと世界の各地にロータリークラブが創立されることになりました。ポール・ハリスは、増強・拡大に加えて奉仕の概念の確立の三本柱を中心にロータリー活動を拡めました。しかし「親睦」を目的としながら、奉仕の理念の確立をモットーとして始まり、利潤を追究する利己心と、世のため人のための利他心の調和を求める人生哲学として発展しました。1915年サンフランシスコの大会で成立したロータリー倫理訓については、前回〆野会員が詳細に説明されました。
さて、ロータリーの親睦は一般の人が考えるものと異なった心の哲学です。ロータリーの例会はその奉仕の心を造り上げる基であることを理解すべきです。従って例会の欠席者はすでにロータリアンでは無くなるものと、ポール・ハリスは述べています。
1923年のセントルイスの大会が長く続いてきたロータリーの理論派と実践派をロータリーの寛容の精神のもとで調和しようとする大会決議がすべての会員の強い感動をもって採択されました。(決議23−34)
その後もロータリー活動は、個人の奉仕とする(IServe)なのか、団体として奉仕する(We Serve)かが長年にわたって論議になっています。最近のRIは、ロータリーの本質から離れて、ロータリーそのものが普通の奉仕団体に成り下り、奉仕の心を育てるという原則が忘れ去られているようです。この点が、日本でのロータリーのあり方とRIとの大きな違いになりつつあり、日本の立派なロータリー会員の退会者の増加が懸念されるところです。
ロータリークラブは、ロータリーが提唱してきた奉仕の哲学を受け入れ、それを実行する専門職業人の集合体です。
RI主導のロータリーについて我々は考え直す時期ではないでしょうか。
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