岸和田東ロータリークラブ 国際ロータリークラブ第2640地区
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第1738回例会 5月25日(金)

『 四国88ケ所巡り 西国33ケ所巡り 』 藤 井 秀 香 会員


 人間は苦しい時、悲しい時、あるいは追い詰められた時など、助けてくださいと頼ってしまう。四国88ケ所や、西国33ケ所に純粋な信仰で巡る方々が多いとは思いますが、私は、国宝、重要文化財、文化遺産や景観を楽しみに又、札所は花で知られる寺が多いので、花を愛で心洗われる為に、巡礼させていただきました。四国88ケ所霊場を巡る事を巡礼といい、巡礼とは、参拝、拝観、礼拝、そして感謝。別に遍路とも言います。
 今から約1200年前のこと真言宗の開祖弘法大師(空海)が42歳の時に生まれた四国で、自分が修行した地を巡り、自分自身と人々の災厄を除く為に祈願したことが始まりだと言われてます。人間には、88の煩悩があり、88ケ所を巡る事により煩悩が消え、願いが叶うと言われてます。私は、巡礼中自分自身の事を願った事は一度もありません。でも欲どうしく二つもお願いして参りましたが、二つともに叶えられました。
 四国一週全行程約、1450kmを同行二人、つまり弘法大師とともに自分を見つめ直す事になります。お遍路で札所にお参りする事を、「打つ」と言い、一番札所から順番に打つ事を、「順打ち」、第88番札所から逆周りで打つ事を「逆打ち」と言います。88番 香川県 大窪寺が結願所でした。
 瀬戸大橋やしまなみ海道を通ることもありましたが、ほとんどが明石大橋を渡り、淡路島を横切り、鳴門大橋を渡り、四国へ入りました。お参りが終り帰り道に、必ず淡路サービスエリアに寄り、明石大橋と観覧車のイルミネーション、対岸の神戸の夜景を見ながらコーヒーを飲み、今日も無事にお参りが終えたことに感謝しました。そしてお礼参りに再び高野山奥の院へ。宿泊したのは、二回で後は日帰りで強行しました。空いている週末、一年半お大師さんの加護のもと、さまざまなおかげをいただき結願成就いたしました。そして、続けて西国33ケ所巡り第一番札所、世界遺産観音霊場、那智山、天台宗、青岸渡寺へお参りさせていただきました。養老2(718)年、徳道上人(とくどうしょうにん)は病で仮死状態になりました。夢の中に閻魔大王(えんまだいおう)が現れて「お前はまだここにくるべきでは無い。世に苦しみ悩む人々を救うため33ケ所の観音霊場をつくり参拝を広めよ」と言われたそうです。そして33の宝印を与えられ、仮死状態から解放されたそうです。色々あり一時は宝印を中山寺の石窟の中に納められたこともありましたが、室町後期から江戸期にかけて、現在と同じ巡礼コースが整ったそうです。
西国33ヶ所のお寺の中には、今年も腹帯を頂きに参らせて頂きましたが、中山寺。桜や紅葉の時季には、夜間拝観も行なっていて、皆様も一度はお参りされたと思いますが、清水寺。私は、お花の中で牡丹が一番好きで毎年の様に参らせて頂いてます長谷寺など著名な寺院も多く、西国は年齢層に関係なく人気があります。西国とは、兵庫県から、東は岐阜県まで近畿東海二府五県にまたがり観音霊場を参拝いたします。無事に満願を迎え、私は、「一生に一度、お参りすれば極楽浄土に行ける」善光寺へお礼参りに行きました。私は、お恥ずかしい事に徒歩でなく車での巡礼です。巡礼の正装をまとい金剛杖をつき、数珠を片手に持鈴を鳴らしながら黙々と足元の行く先だけを見て歩いて居られるお遍路さんの横を車で通る時は本当に申し訳なく、「どうぞ無事に満願成就されますように」その方に手を合わせておりました。「お遍路さんはね、皆、背中に悲しみを背負っているのですよ」と、どなたかが話すのを聞いたことがあります。車でも駐車場から境内まで階段や結構歩きますのに、お礼参りに今度は歩いてとは、凡人の私には到底無理と、情けない事です。一番辛かったのは、近くですが、西国札所屈指の難所、弘法大師が剃髪得度(ていはつとくど)したという、和泉市葛城山脈の北、槇尾山の山腹標高530mの位置にある山寺、施福寺 槇尾寺(せふくじまきおでら)です。足が強張り、心臓は破裂するのではと、お年をとった方には辛く、AEDを設置された方がよいと強く思いました。境内にやっとの思いでたどり着き大和葛城山、金剛山、岩湧山などの山並みが、一望出来た折の達成感がなんとも言えません。
 文明の利器で今は、お寺の電話番号をナビゲーションに入力するとちゃんと案内してくれます。交通公社から多くの、バスツアーも企画されてます。利用されると便利です。門前茶屋で御団子を食べたり、道の駅で地産のお土産を買ったり、近くの温泉に入浴して疲れをとったり楽しみもあります。始まりは軽い気持ちで始まりましたが、全て巡礼し終えた事で達成感や満足感が得られ「おかげさま」という気持ちになりました。
 今月の12日早朝のラジオで酒井雄哉(ゆうさい)大阿闍梨(だいあじゃり)のお話が聞けました。二度の千日回峰業、9日間、食べ物も水も断ち、眠らず、横にもならず、10万枚の護摩を10万べんお経を唱えながら焚く「大護摩供」を満行された方です。1200年あまり天台宗の歴史のなかで、初めてだそうです。「人生、生きている事が行なのである」どんな苦難も行だと思えば、頑張って、乗り越えられる様な気がします。自分自身を見つめる為に、今度は、番外編にお参りに行って手を合わせこの世に生を受けし全てのものの幸せを祈りたいと思います。
 感謝 合掌