|
『 仏教豆知識 』 加 藤 寿 昭 会員 |
仏と言うのは、心理に目覚めた人、覚った人(覚者)という意味で、理想の境地に到達した人を指し、仏教はこの仏になるつまり成仏することを目指す教えである。
三蔵法師−経・律・論の三蔵に精通した法師のことで、
転じて教典の翻訳者のことを言う
如 来−阿弥陀如来・大日如来・釈迦牟尼如来
菩 薩−法蔵菩薩・観音菩薩・勢至菩薩・地蔵菩薩
仏教から来た言葉
挨拶 会釈 以心伝心 一連托生 有頂天 億劫 玄関 御馳走
金輪際 四苦八苦 冗談 普請 阿吽 あばた 阿鼻叫喚
有り難い 醍醐味 etc
【挨拶】
挨は「押す」拶は「せまる」という意味があり、禅宗では「一挨一拶」といい、師が弟子僧に、或いは修行僧同士が言葉や動作で、その悟りの深浅を試すこと。これが転じて、私たちが日常的に行う、相手への応答や礼儀・親愛の情を表す意味となった。
【会釈】
和会通釈の意。仏典中の異なった説を照合し融和、その意義の通じるようにすること。転じて、相手の心を推し量って対応することから、にこやかにうなずくこと、軽く首を垂れて一礼することとなった。
【以心伝心】
禅宗で、仏法の神髄を文字によらず、師の心から直接、弟子の心に伝えることから言葉や文字に表現できないが、心が通じ合うこと。
【一蓮托生】
念仏者が共に極楽に往生して、同じ蓮華に身を托すこと。行動、運命を共にすること。
【有頂天】
地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の六道の中で一番上の天界の一番高いところを有頂天と言う。有とは迷いの世界のことで、その頂点であることから、得意の絶頂や物事に夢中になり、思い上がったり、我を忘れたりすること。
【億劫】
劫は長い時間のことで、それに億が付いているから無限を言う。転じて長い時間が掛かるから面倒だという意味。
【玄関】
道理などの奥深い道に入る関門から、一般の家の入口を言う。
【御馳走】
馳走とは駆け回ること、あれこれ走り回って他の者の世話をすることから、もてなし、饗応をすること。
【金輪際】
仏教の世界観では、此の世界は下から風輪(気体の層)・水輪(水の層)・金輪(固体の層)の三輪に大地が支えられて成り立っている。つまり金輪の上に大地が位置し、この大地と金輪の接するところを金輪際と言う。転じて取り返しがつかないギリギリの場所を指す。つまり究極のところということから絶対に、断じてなど強い否定の意味を表すようになった。
【四苦八苦】
生・老・病・死・愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五陰盛苦のこの世の苦しみからひどく苦しみ困っている状態をさす。
【冗談】
仏道修行に関係のない無用の談話から無駄口、無駄話。
【普請】
普く人びとに請うて、寺の堂塔の建築の労働に共に従事してもらうことから、転じて広く一般の家の建築、修理の意にも用いられるようになった。
【阿吽】
梵語では最初の言葉が「あ」と言って口を大きく開けて発音する言葉を「阿」と訳し最後の「ふーん」と口を閉じて発音する言葉を「吽」と訳した。「あ」と言えば「うん」と理解するところから、阿吽の呼吸と言われるが、本来は物事の始めと終わりを指す。
【あばた】
仏教で説く八寒地獄の一つに阿浮陀地獄というのがあり、ここに落ちた者は身体中に腫れ物ができると言われる。この阿浮陀が「あばた」となり、天然痘などの後の痕跡の意味として用いられるようになった。
【阿鼻叫喚】
八熱地獄にある阿鼻地獄・叫喚地獄では、あまりの苦しさから亡者が泣き叫ぶ様から阿鼻叫喚と言う言葉が用いられるようになったことから、戦場や大災害時における惨状の様子、また地獄絵そのままに泣き叫び、逃げまどう悲惨な状況を言う。
【有り難い】
三帰依文にあるように、人間として生まれることの難しさ、仏の教えに遇うことの有り難さを教えた言葉。
【醍醐味】
醍醐とは精製した乳製品で、この上ないおいしいものとして珍重された。五味の中で最高の味で醍醐味と言う。
|
|
|
|
|