岸和田東ロータリークラブ 国際ロータリークラブ第2640地区
2007〜2008年度RIテーマ
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制作:資料管理・OA委員会
 

第1636回例会 3月5日(金)

『 トピック 』

 【 3月度 会員・夫人夫君誕生日 】



岩出 正次/亀井 亮雄/奥  忠道
安井八州夫/深井 正夫/坂本 道子
谷川  泉/日野 浩志/夏原 晃子 各会員

辻林 京子 様/山元 弘美 様/河合 政子 様

  【 ロータリー米山記念奨学会より感謝状 】



米山功労者 第3回 マルチプル

河 合 利 晴 会員


『 夜間中学校紹介 』  岸城中学校夜間学級 高 橋  守 様

 戦中戦後の混乱期に貧困や差別など様々な理由で義務教育を受けることのできなかった人が、今の日本には、百数十万人いると言われています。
 夜間中学は、そうした義務教育を終えることができなかった人たちが学んでいる学校です。公立の夜間中学は全国に35校あり、15歳から80代、90代の人まで、日本人の大人や元不登校の若者、障がい者、在日韓国・朝鮮人、中国帰国者、新渡日外国人などの様々な人たちが、今までできなかった勉強に懸命に取り組んでいます。
 岸城夜間中学の2009年度の在籍生徒数は60名で、生徒の国籍は日本26名、中国19名、韓国・朝鮮5名、フィリピン4名、ブラジル2名、ペルー2名、タイ1名、パラグアイ1名です。年齢層は17歳から77歳まで幅広い年齢層の方々が在籍していて、半数以上が60歳以上の方々です。
 岸城夜間中学の生徒の多くは、経済的な理由や差別などの様々な理由で、義務教育を受けることができませんでした。今、その生徒のみなさんは、学ぶことの喜びを噛みしめながら熱い思いでがんばっています。

(授業中の様子)

○年齢も、国籍も様々ですが、授業中はお互いに教え合ったり、日本語のわかる人が分からない人に母国語で通訳したりして学習しています。
 (中国語、スペイン語、ポルトガル語が飛び交うことがあります)
○生徒からの質問が多く、その質問に対して他の生徒が答えることも多い。その時、先生は補足説明をしながら楽しく学習しています。
○今年度からなくなった補食の時間である休憩時間も惜しんで学習しています。

『夜間中学廃止反対運動を展開した高野雅夫さんの言葉』から
 (満州からの引き揚げで、父母の名前も分からない戦争孤児であった高野雅夫さん)
 17歳の時、生まれて初めて自分の名前を「たかのまさお」と書けた時は、新たな熱い感情が頭のてっぺんまでこみ上げてきた。嬉しくて嬉しくてたまらずパタ屋の仕切り場の中をころげ回った。
 21歳で生まれて初めて夜間中学に入学し、生まれて初めて差別のない社会を知った。その時の感激で涙が止まらなかったことを今でも忘れられない。
 しかし、憲法や教育基本法ですべての人たちに義務教育の権利を保障していることを知った時、感激が怒りに変わった。
 自分だけが卒業したらいいという考えは、120万人以上の義務教育を終わっていない仲間たちを差別したことになる。なぜならば差別されているのは俺たちだけでないからだ。もし、俺たちがその仲間たちに何もしなかったら、俺たちはその仲間を差別したことになるんだ。
 この高野雅夫さんの設置運動により、岸城中学補導学級は1969年5月、岸城中学夜間学級として認可されました。

生徒の作文集である「希望」より

○字が書けないので力のいる仕事やつらい仕事ばかりしました。自分の住所も書けないので市役所に行った時、大変困りました。
  学校へ行きたいという夢が今、夜間中学校でかなったことは、私の心に一生残り続けると思います。
○学校に行くのが楽しいです。クラスの人はみなさんよい人ばかりで、わからないときは、聞けば親切に教えてくれます。それがとてもうれしくて、感謝しています。
○漢字がどのようにできたか、そしてことわざをわかりやくす説明してもらった時、すごいと思った瞬間に、鳥肌が立って身ぶるいしている自分自身に驚いています。
  国語の時間が楽しみで、あっという間に終わって、教わる楽しさを実感しています。
○夜間中学は学ぶ場というだけではありません。悲しくつらい時にはなぐさめられ、心の痛みも和らぎ、ずいぶん救われました。
○教えて欲しいことがいっぱい山積みされています。仕事をしていても、四時半になるのが待ち遠しくて、忙しいのがわかっていながら目をつむっ て飛び出してきます。
○国籍に関係なく、生徒同士で教え合うことが日常見られる光景で、とてもいい雰囲気で勉強しています。
○日本に来て、いろいろなことが体験でき、またいろいろなことを勉強できて、本当に幸せを感じています。日本に来てよかったと、いつも思っています。

※岸城中学校夜間学級では生徒募集を行っています。 前期の期限は4月30日です。
くわしくは、下記の 岸城中学校夜間学級までお問合せ下さい。 TEL072-438-6553


 『 私が見た日本の人たち 』 岸城中学校夜間学級 オリベイラ垣本水江 様

 
 私はブラジルから来たカキモト・オリベイラ・セレステ・ミズエといいます。
 今、岸城中学校夜間学級で勉強をしています。私にとって、夜間学級で勉強できることは、何よりも幸せなことだといつも感じています。
 私は日本という国がとても好きですが、気になっていることがあります。それは、私が街で見かける人を見ても、テレビで見る日本人の人を見ても、表情が暗く感じることです。日本人はとてもお金持ちの国なのに、なぜだろうと考えてみました。
 お金があることと幸せなことは違うのかも知れません。以前、私の父が会社を経営していて、経済的に豊かだった時期があります。そのときには、たくさんの友人がいて、とても私の周りは賑やかでした。しかし、会社がなくなって、豊かでなくなると、友人は数人にまで減ってしまいました。でも、私は今が不幸だとは思いません。むしろ、今の友人が本当の友人なのだと思っています。
 私は、これからの人生をもっと豊かにもっと幸せなものにしていきたいと考えています。そのためには、日本語をもっと勉強して、わかるようになりたいと思います。今、スーパーに行って、商品の説明を見ても、何が書いてあるのか、よくわかりません。例えば、買いたい食品の原材料や添加物などを知りたいと思ってもわからないのです。
 私は、人生を豊かに生きるためには健康がとても大事だと思います。そして、健康のためには食べるものが大きく影響すると思います。つまり、食べるものに関心を持つことが健康な生活につながり、それが豊かな人生を作ることになるというわけです。世の中に食品を送り出してくれる立場の人には、経営のことも大事ですが、日本中の人たちの人生を豊かにする役目も担っていることも自覚してほしいと願っています。
 私は日本の国は美しい言葉を話し、美しいものを作る文化を持つ、とてもすてきな国だと思います。だからこそ、日本の人たちに、もっともっと豊かに明るい人生を送ってほしいと思うのです。そして、世界中の人たちから日本の国が豊かで明るい人生を送っている、すてきな国だと思ってほしいとも願っています。そのために私に何ができるか、と考えると困ってしまいますが、まずは私が夜間学級でしっかり勉強をして、まわりの人たちと一緒に明るく人生を送ること、それを目標にします。一緒に勉強している人たちは、病気があっても足が痛くても熱心に勉強しています。私にもつらいことや苦しいことはありますが、その人たちの姿に励まされ、支えられてがんばれています。そしてこれからも「私には夜間がある」という気持ちで、一緒にますますがんばりたいと思います。