岸和田東ロータリークラブ 国際ロータリークラブ第2640地区
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第1599回例会 5月22日(金)

 『1598回例会 5月15日(金) 卓話分』

私の履歴』 上 田 潤 会員

詳細は会報にてご確認下さい。





  『「利休にたずねよ」…に思う。』 柳 澤 宗 甫 会員

 わしが額ずくのは、美しいものだけだ。
おのれの美学だけで天下人・秀吉と対峙した男・千利休の戦烈なる恋、そして死。
と帯に書かれている。また裏の帯には・・・・釜の湯音が、松籟のごとく響いている。
瞼を閉じると、闇の中に凛々しい女の顔がくっきりとうかんだ。あの日、女に茶を飲ませた。あれからだ、利休の茶の道が、寂とした異界に通じてしまったのは。
とある

 昨年直木賞を受賞した山本兼一氏のこの書は、お茶を指導する者として大いなる触発を感じた。1591年2月28日…京の利休屋敷、一畳半の茶室での切腹の場面から描かれている。そして…19才の利休まで頁が時を逆にまわり、最後は夢のあとさきというテーマで切腹後の妻のようすが書かれ完結している。
 実際、私は大部分が茶室での様子であり、茶をたて、食しながらの人とのおもてなしの中での出来事であり、興味深く、あの時代、すべてが茶室でものごとが運んでいて、どの方も茶をたしなむというより、茶と共に生きていたことは想像を超えるものでもあった。
 じっくりとしっかりと読み、約2ヶ月かけて読んだ。茶室でのしつらいを納得させ、茶花や軸…茶道具を理解して読むには、目と相談して読みつつもすこし、重いものがあった。しかし、完読したその日、私は一日で一冊を又読まずにいられない衝動にかられた。さすがに受賞作という感をうけたものである。深い感動を受けながら茶の道に生きてきた、いえこれからも終生生きていく、ささやかなある意味での納得感が私を包んでいた。
 秀吉は利休を困らせようと色んな事をした中で花との関わりを述べてみる。

・利休屋敷に舶載の朝顔が沢山咲いていると聞き、早朝秀吉がわざわざたずねると庭には花は一輪もみあたらない。小座敷に入ると、朝顔がただ 一輪、床に飾ってあった。床の花を美しく見せるため、庭の花は利休が全部摘み取ってしまったもの。

・ある夏の日、大徳寺の書院で花をいけるように命じると、室内にはいけず、外の枯山水の石に金物の花入れを置いて水を打ち、花を飾った。実に涼しそうですがすがしいしつらえであった。

・大きな水鉢と紅梅一枝を床に置き、花をいけるように命じると,いけずに紅梅の枝をしごき、花と蕾が水に浮かび、えもいわれぬ風情であった。

・桜の時は「散ればこそ、散ればこそと唱えながら座敷の中を歩きまわり、花弁が舞い散って、春の風情がいやました。

・よい花入れが手にはいったと行くと、どこにもなく、茶室の外の散り穴に椿の花が見事に収まっていた。など…
 ちなみに華道においても、秀吉が馬盥に花をいけよと命じた時、利休は馬の轡をとって組み、花をいけたということから、杜若の花などを轡の生け方として、かずかずの生け方がある。 利休の生きざまに色々と思いを馳せずにいられない。