岸和田東ロータリークラブ 国際ロータリークラブ第2640地区
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第1591回例会 3月13日(金)

  『 トピック 』 

入会記念日インタビュー 
 

河 合 利 晴会員
西 野 公 朗会員




  『浪切ホールの役割と運営(経営)』  財団法人 岸和田市文化財団
 副理事長
烏 野 誠 一 様

■浪切ホールの役割
 浪切ホールは、岸和田旧港再開発地域の中心的施設として位置づけされて建設されました。この再開発地域を「アクアヴェルデ岸和田」と呼び、ここには、浪切ホールと商業施設「カンカンベイサイドモール」EAST&WEST・3棟の分譲マンションそして「コーナン」が位置しています。EASTの中には、カンカン・イズミヤが入っています。南海岸和田駅から商店街を直線に歩いて約10分。貝塚市のコスモスシアター、泉佐野市の泉の森ホールに比べ大変立地条件のいい場所に建設されています。
 浪切ホールの設置目的は、岸和田市立浪切ホール条例第1条に「市民文化の創造を図り、交流の促進を図るため浪切ホールを設置する。」と規定されています。このことを受けまして

1.大・小ホールにおいて多彩な舞台公演を行い、人々に潤いと安らぎを提供するとともに交流と  出会いの場をつくること。
 * あえて人々と書いたのは、浪切ホールの大ホールでの舞台公演に鑑賞者を寄せるには市民だけでは限界があることと、近隣商業施設の盛隆のためには、他市からの買い物客の誘導が必要なためです。

2.浪切ホールへの人の流れが、カンカンベイサイドモールの集客に寄与し、周辺商店街の活性化を図ること。

3.南海電鉄(株)・周辺商店街そして「カンカンベイサイドモール(株)」との異業種交流を図り岸和田市に活気をもたらすこと。

4.ホール全体を常に美しく保ち、行き届いたサービスを行うことにより、市民の誇れるホールにすること。
この4つの柱が浪切ホールの役割と考えています。

■浪切ホールの運営(経営)

 運営を行うに当たって考えなくてはいけないのは、浪切ホールの整備費についてです。
 総事業費は、143億円です。内訳は、建設費が131億円、基本設計・実施設計・地質調査等が4億円、そして用地取得費が8億円です。対外的に、浪切ホールの建設費は用地取得費を除いて135億円としています。
 財源は、府の補助金が2億円、競輪事業の収益金が7億円、市費が1億円で残りの133億円は起債です。この起債は、24年返済で利子が26億円かかってきます。
そして、この起債のうち約半分の69億円が国から交付税として交付されます。1年ごとの利子や交付税の額には変動がありますが、浪切ホール建設に必要となった借金は、約90億円です。これを24年で返済することになりますので1年平均は、約3億8000万円となります。
 浪切ホールは旧港再開発地域すなわち「アクアヴェルデ岸和田」の中心施設として建設されましたので、この地域からの市税収入をこの借金に充てることと考えた場合、毎年の市税収入は、約2億4千万円程度ありますので、借金の返済額は、約1億4千万円と考えられます。市税収のうち法人市民税を増やすことが市への寄与につながります。そのためには浪切ホールへの集客を図り、ホールに来られた方が、周辺商店街やカンカンで買い物をしていただけるよう(株)カンカンベイサイドモールとの連携を図っていくことが、大切であると考えています。
 浪切ホールは、岸和田市文化財団が岸和田市から指定管理者として指定管理料を支払っていただき、委任を受けて運営管理を行っています。指定管理者として、以上の背景をよく理解して運営というより経営を行っていかなければなりません。
 浪切ホール特別会計の19年度の事業活動の決算状況は、収入が6億8848万円で支出が6億7603万円です。その結果収支差額は、1245万円となっています。主な収入は、指定管理料が3億392万円、公演関係収入が2億円、施設利用料収入が1億2200万円、レストラン収入が1300万円、手数料収入が3046万円です。おもな支出は、自主事業費支出が2億6600万円、施設管理運営支出が3億9000万円です。指定管理料は、すべて施設管理運営費に充てています。決算状況は良好であります。
財団の運営の特徴は、利用料金を財団の収入としていることと自主事業は、市からの補助金なしで実施しているところにあります。
 財団は、浪切ホールにこられた方々が、ホールに来られることにより心に安らぎを持っていただくとともに、その人々に周辺商業施設で買い物をしていただくことにより、経済波及効果が上がることに常に思いをよせなければならないと考えています。
 財団の浪切ホールを運営は、良い企画、良いサービス、良い環境で集客に努めること、そしてレストランでおいしい料理を提供することにつきると考えています。
 この方針は、開館当時の副理事長で現在顧問をしていただいています木津川計先生が論語の「近きが喜べば、遠きより来る。」を引用されて、「近くからも遠方からもやってくる人たちでこの都市(岸和田)の魅力がさらに高まることを願う。」と期待されたことと藤本総合監督が、浪切ホールの開館に際し寄せられた言葉「この浪切ホールが関西の同心円の一つの軸になることを確信する」が根底にあります。
 私は、フランスの諺の「花うつくしければ、人きたる。」を浪切ホール運営にあたっての座右の銘としています。
 その実践として、いま浪切ホールを「つつじ」が美しく咲くホールとして、職員ともどもその環境づくりに努めています。そして、南海岸和田駅が浪切ホールの玄関口としてインパクトのある雰囲気づくりに思いをはせています。